予算と性能を天秤にかけてベストな「インナーバッフル」を選ぶベシ![失敗しない初めてのスピーカー交換]

ワンオフしたインナーバッフルを使ったスピーカーの取り付け例(製作ショップ:サウンドカーペンター<愛媛県>)。
ワンオフしたインナーバッフルを使ったスピーカーの取り付け例(製作ショップ:サウンドカーペンター<愛媛県>)。全 3 枚

「スピーカー交換」に興味を抱くドライバーに向けて、その思いを実践に移そうとするときのガイドとなる情報を多角的に発信している当連載。前回からは、「スピーカー」の取り付け作業の中身の解説を開始した。今回は「インナーバッフル」の選択法について説明していく。

◆「ドアスピーカー」の取り付けにはインナーバッフルが不可欠。これにはタイプ違いがある!?

最初に前回の内容を簡単におさらいしておこう。カー用のスピーカーは、車両に取り付けて初めてスピーカーとして完成する。なので取り付け作業はいわば「スピーカーを作る作業」となる。ゆえに取り付け作業に手をかければかけるほと、スピーカーとしての完成度は上がる。

かくして取り付け作業の中身を知ると、スピーカー交換では取り付け工賃が発生する理由が分かり、スピーカー交換がより身近に感じられてくるはずだ。

で、「ドアスピーカー(ミッドウーファー)」の取り付けには、インナーバッフルと呼ばれる土台となるパーツが必要となる。これを用いることで「ミッドウーファー」がより良好なコンディションで仕事をできるようになる。

なお、インナーバッフルにはタイプ違いが2つある。1つは「市販品」で、もう1つは「ワンオフ品」だ。

市販インナーバッフルの一例(カロッツェリア・UD-K622)。市販インナーバッフルの一例(カロッツェリア・UD-K622)。

◆コストを抑えたい場合には、市販品がアドバンテージを発揮!

この2つの違いは以下のとおりだ。まず取り付け費用を抑えたいと思うときには、市販品がアドバンテージを発揮する。で、市販品にもさまざまあるが、廉価なものなら5000円程度で入手可能だ。しかし2万円程度するものもあるので性能を重んじる場合にはコストの抑制は限定的とならざるを得ないが、全般的にはワンオフ品よりもリーズナブルである場合は多い。

なお市販品の価格の違いが生まれる主な要因は、材質にある。廉価なものは「MDF」でできている。MDFとは「中密度繊維板」の略称で、加工がしやすいことが利点だ。しかし、水分には弱いことが難点だ。対してハイグレードな市販品の中には金属でできているものもある。そうであると耐久性が高まり音響的にもより良い効果を発揮しやすい。

対してワンオフ品とは、カスタムメイドされるもののことを指す。

市販インナーバッフルの一例(カロッツェリア・UD-K532)。市販インナーバッフルの一例(カロッツェリア・UD-K532)。

◆ワンオフ品なら、より良いコンディションで「ドアスピーカー」を鳴らせる!

ちなみに「カーオーディオ・プロショップ」ごとでノウハウがあり、理論もさまざまある。なので製作するお店ごとでどのようなインナーバッフルが作られるかは、細かくは差異が出る。

具体的にはどのようなものがあるのかというと、まず使用される素材がさまざまだ。加工のしやすさを重視して「MDF」が使われることもあれば、音的に有利だと言われる「合板」が使われることもある。または耐久性を重んじて「アルミ」や「アクリル」が使われることもある。

で、ワンオフ品は全般的に、高性能だ。そうである最大のポイントは、装着する車両と使用するスピーカーに対してジャストフィットするものを作れるからだ。例えばスピーカーの取り付け面のフレームの方がインナーバッフルよりも少し大きいと、取り付けには支障が出ないもののスピーカーを支える効果を100%発揮し難い。ワンオフすればそのようなことが起こらない。

今回は以上だ。次回は「デッドニング」について説明していく。お読み逃しのなきように。

《太田祥三》

【注目の記事】[PR]

ピックアップ

教えて!はじめてEV

アクセスランキング

  1. 【スズキ ソリオ 新型試乗】乗り心地と静粛性はクラストップ、だが「損をしている」と思うのは…中村孝仁
  2. 日産 リーフ 新型を発表、第3世代は航続600km超のクロスオーバーEV
  3. 伝説のACコブラが復活、「GTロードスター」量産開始
  4. 日産 リーフ 新型の価格を予想する!…ベースは400万円台前半か
  5. サブコンが再評価される理由と純正ECU時代の新常識~カスタムHOW TO~
ランキングをもっと見る

ブックマークランキング

  1. BYD、認定中古車にも「10年30万km」バッテリーSoH保証適用
  2. 三菱が次世代SUVを初公開、『DSTコンセプト』市販版は年内デビューへ
  3. 低速の自動運転遠隔サポートシステム、日本主導で国際規格が世界初制定
  4. 米国EV市場の課題と消費者意識、充電インフラが最大の懸念…J.D.パワー調査
  5. 独自工会、EV減速でPHEVに着目、CNモビリティ実現へ10項目計画発表
ランキングをもっと見る