自動運転タクシーが駐車場内をぐるぐる! そのとき乗客はどうする?

Lost in the Midwest / Adobe Stock
Lost in the Midwest / Adobe Stock全 1 枚

米アリゾナ州スコッツデールのある駐車場で、Waymoの自動運転タクシーが駐車場をぐるぐると回り始め、乗客が危うく飛行機に乗り遅れそうになる問題が発生しました。

乗客のマイク・ジョンズさんは12月9日、アリゾナ州スコッツデールの駐車場で、空港に向かうためWaymoの自動運転タクシーに乗り込みました。ところが、そのWaymo車両は駐車場内をまるで子犬が自分の尻尾を追いかけるかのようにぐるぐると回り始めてしまいました。

伝えられるところでは、自動運転タクシーは5分以上もその場を旋回し続けたとのことです。ジョンズ氏は車内のシステムからWaymoにサポートを要請し、オペレーターとの音声会話につなぐことに成功しました。そして「飛行機に乗らないといけないんだが、どうしてこのクルマはぐるぐる回っているんだい?」「目が回りそうだよ。そっちは何をしているの?」と伝えました。

ジョンズ氏はさらに「飛行機に乗らないといけないのに、これでは車から降りることすらできない。ハッキングされているのか?何が起こっているのか?まるで映画の中にいるような気分だ」と訴えるものの、サポート担当者は形式的な謝罪とともに、「停車する方法を確認中です」とだけジョンズ氏に返答しました。サポートはその後、WaymoアプリのMy Tripボタンをタップするよう提案したものの、ジョンズ氏はそれが機能しないうえ、他に車を非常停止の手段もないと答えました。

けっきょく、数分後にWaymoの自動運転タクシーは正常な走行に戻ることができ、空港への到着こそやや遅れたものの、ジョンズ氏は予定していた便に搭乗できたそうです。

ジョンズ氏は、この問題の発生時、サポート担当者から同情や人間らしさを感じることができなかったとし「これもまた、いまどきのデジタル社会を表す例のひとつだ。中途半端な製品を提供し、誰も顧客・消費者を中心には考えていない」と述べています(一応、運賃は無料になったとのこと)。また、その後Waymoからは何の連絡もないとしています。

一方、CBS Newsからこの件について問い合わせを受けたWaymoは、当時に発生した遅延は5分強で、車はジョンズ氏をきちんと空港まで送り届けることができたとしています。またジョンズ氏への乗車料金の請求も控えたとし、今回の「ループ」問題は自動運転ソフトウェアのアップデートですでに解決したと述べています。またジョンズ氏に対しては電話を入れたものの留守番電話だったため、そこにメッセージを残したとしています。

オペレーターの同乗もない自動運転車がトラブルに陥れば、おそらく多くの人はパニックに陥るでしょう。ジョンズ氏は自身もIT系企業に勤めているためか、終始落ち着いているように見えましたが、それでも乗客が自ら車を非常停止させる手段をすぐに発見することができませんでした。これがもし、壁や断崖絶壁めがけて走行するような状況で発生したら…などとは、あまり考えたくないものです。


トコトンやさしい 自動運転の本 第2版 (今日からモノ知りシリーズ)
¥1,600
(価格・在庫状況は記事公開時点のものです)
AUTONOMY 自動運転の開発と未来
¥1,881
(価格・在庫状況は記事公開時点のものです)

Waymoの自動運転タクシー、駐車場内をぐるぐる周回し進まず。乗客は飛行機搭乗時間に遅れかける

《Munenori Taniguchi》

【注目の記事】[PR]

ピックアップ

教えて!はじめてEV

アクセスランキング

  1. トヨタ『ハリアー』6年ぶりのフルモデルチェンジへ…注目ニュースベスト5 2025年上期
  2. トヨタ『ハリアー』6年ぶりのフルモデルチェンジへ...ワイド&ローのフォルムに注目だ!
  3. そのホイール、何年使ってる? 知られざるアルミホイールの寿命と見極め術~カスタムHOW TO~
  4. エアレスタイヤ搭載でペダルもなし、免許不要の特定小型原付「Future smart」発売
  5. 次期トヨタ『ハリアー』は新エンジンの恩恵でフォルムが大変化…スクープ記事ベスト5 2025年上期
ランキングをもっと見る

ブックマークランキング

  1. 「AIディファインド」の衝撃、日本の自動車産業は新たな波に飲み込まれるのか…アクセンチュア シニア・マネジャー 藤本雄一郎氏[インタビュー]
  2. EV充電インフラ-停滞する世界と“異常値”を示す日本…富士経済 山田賢司氏[インタビュー]
  3. ステランティスの水素事業撤退、シンビオに深刻な影響…フォルヴィアとミシュランが懸念表明
  4. SUBARUの次世代アイサイト、画像認識技術と最新AI技術融合へ…開発にHPEサーバー導入
  5. 「ハンズオフ」は本当に必要なのか? 高速での手離し運転を実現したホンダ『アコード』を試乗して感じた「意識の変化」
ランキングをもっと見る