なぜ今『プレリュード』なのか?「ハイブリッド史上すごい技術」で令和の世にデートカー再び…東京オートサロン2025

ホンダ・プレリュード(東京オートサロン2025)
ホンダ・プレリュード(東京オートサロン2025)全 8 枚

ホンダは「東京オートサロン2025」に、今秋発売予定の2ドアクーペ『プレリュード』のプロトタイプを出展した。なぜいま復活させるのか、そしてキーとなる技術は何か。商品担当に話を聞いた。

◆プレリュードで「ときめきを再び」

本田技研工業 統合地域本部 日本統括部 国内四輪営業部 商品来価格課主任の川嶋健太さんによると、プレリュードの復活は、「スポーツや操る喜びはホンダが追求している部分です。それをこれまでのお客様のニーズだけでなく、新たなニーズを最新技術技術で表現したのがこのプレリュードです。特に以前のプレリュードのユーザーが感じていたときめく感じを表現したいと考えています」と述べる。

その表現したいこととは。「コンセプトは『アンリミテッドグライド』。グライダーをイメージし、グライダーの気持ちいい操る楽しみのように気持ちよくドライブすることです。昔でいうところのスペシャリティーカー、デートカーみたいなものを表したいんです。ホンダには長い間そういうクルマがありませんでしたので、改めて約25年ぶりに復活させたい。ですから2ドアクーペです」とのこと。

ホンダ・プレリュード(東京オートサロン2025)ホンダ・プレリュード(東京オートサロン2025)

足回りは『シビックタイプR』から流用しているようだ。川嶋さんは、「シビックタイプRは少しガソリン臭いというか、ガチガチのスポーツのイメージです。しかしプレリュードの場合は新たな電動化の時代の中で、ハイブリッドスポーツを表現したいのです」という。つまり、スポーツモデルの究極として、ガソリン車ではシビックタイプR、ハイブリッドではプレリュードだと捉えられよう。

では、BEVはどうか。本田技研工業 統合地域本部 日本統括部 国内四輪営業部 宣伝・広報課主任の宮本慶浩さんは、「ハイブリッドの一番のスポーツはプレリュード。そして、これで終わりじゃないです、いま言えるところでは…」とのことだった。

◆「ハイブリッド史上すごい技術」なHonda S+Shift

Honda S+ShiftHonda S+Shift

ハイブリッドスポーツを表現するための最新技術が「Honda S+Shift」で、プレリュードの大きな特徴だと川嶋さん。変速時のショックや減速時のブリッピングなども表現しているという。因みにこのネーミングは、、『S600』や『S2000』、TYPE Sなど、ホンダの操る喜びの根源となるスポーツスピリットを表すモデル・技術に冠する“S”に加え、“Synchronize”、“Special”、“Sensational”など、この機能がもたらす新たな価値を“+(プラス)”し、ヒトとクルマを新たな世界に“Shift(シフト)”させていくという思いが込められている。

このシステムは『シビックe:HEV』などに搭載されているリニアシフトコントロールの進化版。リニアシフトコントロールは加速側で有段シフト感などを表現していたが、S+Shiftでは、減速側でも同じように感じられるようにしたのがポイントだ。その結果として「音も含めて視覚や聴覚などで体感できるようすることで、走る喜びみをさらに強調した」(宮本さん)。ちなみに音については、「実際の音だけだと足りないのでプラスしている音も出ていますが、(事前試乗会等での)すごく評判はいいです」とのこと。

さらに宮本さんによると、「これまでのハイブリッドはブレーキを踏むと回生のためにエンジンが止まります。しかし、今回のS+Shiftはブレーキを踏むと本当の減速のようにエンジンの回転数が上がるんです。そうするとそこで発電が始まり蓄電されますから、即クイックで強力なパワーのためにその電気が使えるわけです。ですから、立ち上がり時の機敏さもこれまでのモーター以上のレスポンスです。つまり音だけではなく機能もある。これはハイブリット史上すごい技術だと思います」と高く評価していた。

◆メインターゲットはジェネレーションX

本田技研工業 統合地域本部 日本統括部 国内四輪営業部 商品企画課主任の川嶋健太さん本田技研工業 統合地域本部 日本統括部 国内四輪営業部 商品企画課主任の川嶋健太さん

新たな操る喜びを表現して復活するプレリュードのターゲットユーザーとは。川嶋さんは、「昔のプレリュードに乗っていただいたジェネレーションXのお客様がまずメインターゲット」という、次いで、「その子供の世代で、若いジェネレーションZ。そういった若いお客様も引きつけていきたい」とし、その想定シーンとして、「(ジェネレーションXの)お客様がお子様と一緒に乗って、こんなクルマがあるんだと若い方に気づいてもらいたいと考えています」と語った。

今秋発売予定のプレリュード。まさにデートカーとして一世を風靡し、また当時の先端技術、ABSや4WSを搭載するなどを取り入れたクルマでもあった。今回もHonda S+Shiftを搭載し、再び世に送り出される。ハイブリッドスポーツの究極と位置付けられるこのクルマ、実際の走りはどうか、楽しみに待ちたい。

ホンダ プレリュード プロトタイプホンダ プレリュード プロトタイプ

《内田俊一》

内田俊一

内田俊一(うちだしゅんいち) 日本自動車ジャーナリスト協会(AJAJ)会員 1966年生まれ。自動車関連のマーケティングリサーチ会社に18年間在籍し、先行開発、ユーザー調査に携わる。その後独立し、これまでの経験を活かしデザイン、マーケティング等の視点を中心に執筆。また、クラシックカーの分野も得意としている。保有車は車検切れのルノー25バカラとルノー10。

+ 続きを読む

【注目の記事】[PR]

ピックアップ

教えて!はじめてEV

アクセスランキング

  1. 航続262kmの新型電動バイクが約10万円から、ビンファストが2モデル発表
  2. トヨタ『カローラ』米2026年モデル、新デジタルメーター搭載で今秋発売へ
  3. 新型ドゥカティ『パニガーレV2S』日本上陸に「スイングアームアームすげー」「日本じゃ全力は使えない」など驚きの声
  4. 125ccスクーターでもここまで違う!? スズキ『バーグマン』とヤマハ『NMAX』を徹底比較
  5. ホンダ『プレリュード』新型、シビック タイプRのサスペンションとブレーキ技術搭載へ
ランキングをもっと見る

ブックマークランキング

  1. 「AIディファインド」の衝撃、日本の自動車産業は新たな波に飲み込まれるのか…アクセンチュア シニア・マネジャー 藤本雄一郎氏[インタビュー]
  2. リチウムイオン電池の寿命を2倍に、矢崎総業、バインダフリー電極材料を開発
  3. ステランティスの水素事業撤退、シンビオに深刻な影響…フォルヴィアとミシュランが懸念表明
  4. 栃木ホンダ販売、テラチャージの急速充電器設置…EV充電環境を強化
  5. ブレンボが新ブレーキ開発、粒子状物質を削減…寿命も最大2倍に
ランキングをもっと見る