ひとり勝ちカーシェア市場の攻め方は? 成長市場の伸びしろと法人ユーザーの生声…国際経済研究所 特任研究員 小林浩氏[インタビュー]

ひとり勝ちカーシェア市場の攻め方は?成長市場の伸びしろと法人ユーザーの生声…国際経済研究所 特任研究員 小林浩氏[インタビュー]
ひとり勝ちカーシェア市場の攻め方は?成長市場の伸びしろと法人ユーザーの生声…国際経済研究所 特任研究員 小林浩氏[インタビュー]全 1 枚

カーシェア市場はB2Cビジネスの比率が多いため、事業者の戦略は対個人会員の視点で語られることが多い。この場合の利用者は、買い物やドライブなどの個人会員となるが、法人会員もじつに利用者数全体の約4割に上るという。事業計画において無視するわけにはいかない。

カーシェア市場、サブスクリプション市場について調査研究を行っている専門家、国際経済研究所の特任研究員 小林浩氏は、カーシェアの法人ユーザーへの定性調査を入念に実施したという。どんな分析がなされたのか。メーカーやサプライヤー、さらには法人向けカーシェアの利用を考えている会社など、カーシェア事業者以外も気になるところだ。

2月14日にオンラインセミナー「誰も教えてくれないカーシェア法人ユーザー決裁者の本音~市場の40%を占める最重要セグメントを攻略するシナリオ~」が開催される。このセミナーに登壇する、株式会社国際経済研究所 特任研究員の小林浩氏に今回のセミナーの見どころを聞いた。


タイムズの強さが目立つカーシェア市場

最初に断っておくが、ここでいうカーシェアとは、UberやLyftなどのようなギグワーカーによるマッチングアプリをベースとした旅客輸送ではない。会員登録をした後に、店舗レス(無人のステーション)で、アプリで簡単に予約して車両を借りることができるサービスのことだ。つまり、地域輸送やタクシー業界で問題となっているライドシェアのことではない。タイムズカー、三井のカーシェアーズ、オリックスカーシェアなどに代表される事業者のビジネスと思ってほしい。

小林氏によれば、カーシェア市場は、2010年代からコロナ禍の時期も含めて順調に成長しているという。2024年3月の時点でカーシェアの車両台数は、前年比約20%増加の6万7199台。会員数は同23%増の385万5761人(交通エコロジー・モビリティ財団調べ)。厳しい行動規制がなされた2020年、21年も成長を続けているのは、事業者による消毒や衛生対策が徹底していたことと、所謂「三密」回避で、電車などの公共交通より選ばれたためと考えられる。コロナ対策が、車の利用に対しても、社会の行動変容を促した側面もある。

国内市場の主なプレーヤーは、シェア上位からタイムズカー、三井、オリックス、トヨタシェア(サブスクリプションを謳うKINTOとは異なる)、名鉄協商カーシェアといった具合だ。ただし、1位のタイムズと2位の三井との差は、ステーション数で4倍の開きがある。会員数だと約5倍となる。

タイムズの一人勝ち状態で、市場の趨勢は固まったように見えるが、小林氏によれば「成長市場なので攻め手はある」という。


《中尾真二》

テクノロジージャーナリスト・ライター  中尾真二

アスキー(現KADOKAWA)、オライリー・ジャパンの技術書籍の企画・編集を経て独立。現在はWebメディアを中心に取材・執筆活動を展開。インターネットは、商用解放される前の学術ネットワークの時代から利用し、ネットワーク、プログラミング、セキュリティについては企業研修講師もこなす。エレクトロニクス、コンピュータのバックグラウンドを活かし、自動車業界についてもテクノロジーを中心に取材活動を行う。

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