ルノーとボルボの合弁「フレキシス」、3タイプの都市物流EVを2026年市販化へ

フレキシスの次世代都市物流EV。左からCargo Van、Step-in Van、Panel Van。
フレキシスの次世代都市物流EV。左からCargo Van、Step-in Van、Panel Van。全 8 枚

ルノーグループ、ボルボグループ、CMA CGMの合弁会社のフレキシスは、次世代都市物流ソリューションとして開発中のEVラインアップを初公開。2026年の市販化を目指す同社は、ショールームにて3種類の車両とサービスを披露した。

フレキシスの開発する車両は、100%電動、100%接続、100%都市特化、100%カスタマイズ可能という特徴を持つ。共通のEVネイティブスケートボードプラットフォームを採用し、ソフトウェア定義車両(SDV)の電子アーキテクチャを搭載している。

同社は物流事業者の効率的な車両電動化と、増大する都市物流の課題に対応するため、組み込みソフトウェアとサービスも併せて開発している。

フレキシスの次世代都市物流EV。左からStep-in Van、Cargo Van、Panel Van。フレキシスの次世代都市物流EV。左からStep-in Van、Cargo Van、Panel Van。

フレキシスは現在、産業化と商用化前の段階に入っており、フランス、イギリス、ドイツの物流事業者10社と意向書を締結したと発表した。これにより、3年間で最大1万5000台の潜在的な需要が見込まれている。コリス・プリヴェ(フランス)、HIVED(イギリス)、DBシェンカー(ドイツ)の3社は、フレキシスと協力して運用ニーズに合わせたソリューションを共同開発する予定だ。

フレキシスが開発した3種類の車両は、「ステップインバン」、「カーゴバン」、「パネルバン」で構成される。これらの車両は、物流業務を念頭に設計されており、効率性を大幅に向上させる特徴を持つ。

低床設計により荷物の積み下ろしが容易になり、内装を完全にカスタマイズできる点が特長だ。高容量バッテリーソリューションを採用し、急速充電(80%を20分未満)が可能で、都市部での走行範囲は1回の充電で最大450kmに達する。

フレキシスの次世代都市物流EV、Panel Vanフレキシスの次世代都市物流EV、Panel Van

また、ドライバーの安全性と快適性を向上させる優れた人間工学設計を採用している。例えば、ドライバーシートの高さを調整することで、1日あたり最大250回の上下動作を削減し、膝への負担を軽減できる。

フレキシスはすでに製品ラインナップの開発に3億5000万ユーロを投資しており、2025年には産業化と試作段階に入る予定だ。量産は2026年半ばにフランスのルノーグループ・サンドゥヴィル工場で開始される。開発プロセスの一環として、20台の代表的なプロトタイプが製作され、2024年3月から9000時間以上の走行テストが実施されている。

フレキシスは物流事業者やフリート管理者に直接車両を販売する計画で、ルノーグループとルノートラックスにも供給し、両社の販売網でそれぞれのブランドで販売される予定だ。

《森脇稔》

【注目の記事】[PR]

ピックアップ

教えて!はじめてEV

アクセスランキング

  1. 船上で水素を製造できる「エナジー・オブザーバー」が9年間の航海へ
  2. 「やっと日本仕様が見れるのか」新世代ワーゲンバス『ID. Buzz』ついに上陸! 気になるのはサイズ?価格?
  3. 最後のフォードエンジン搭載ケータハム、「セブン 310アンコール」発表
  4. 高機能ヘルメットスタンド、梅雨・湿気から解放する乾燥ファン搭載でMakuake登場
  5. 「三菱っぽくないけどカッコいい」ルノーの兄弟車となる『エクリプス クロス』次期型デザインに反響
ランキングをもっと見る

ブックマークランキング

  1. 米国EV市場の課題と消費者意識、充電インフラが最大の懸念…J.D.パワー調査
  2. 低速の自動運転遠隔サポートシステム、日本主導で国際規格が世界初制定
  3. 「やっと日本仕様が見れるのか」新世代ワーゲンバス『ID. Buzz』ついに上陸! 気になるのはサイズ?価格?
  4. BYD、認定中古車にも「10年30万km」バッテリーSoH保証適用
  5. 「あれはなんだ?」BYDが“軽EV”を作る気になった会長の一言
ランキングをもっと見る