ヤマハ発動機販売は、人気のロードスポーツモデル『MT-07 ABS』をフルモデルチェンジし、2月26日に発売すると発表した。クラッチレバーやシフトペダル操作が不要の自動変速トランスミッション「Y-AMT」搭載モデルも新たに加わった。
新型MT-07は「The Advocator of Riding Delight」をコンセプトに開発。688ccエンジンによるトルクフルな特性や扱いやすいボディ、コストパフォーマンスの高さなど従来の特徴を踏襲しつつ、大型スポーツバイクのエントリーモデルとして、質感、先進性、軽快感の充実を図ったという。

今回の新型では、ヤマハ独自の電子制御スロットル「YCC-T」を初採用。これにより、全回転域で滑らかなトルク特性を実現し、ライダーの意思に沿ったレスポンスや出力特性を提供する。また、走行モードを選択できる「YRC」機能や、シフトダウン側にも対応するクイックシフターをオプション設定するなど、より幅広い走行シーンへの対応を可能にした。
エンジン音もアップデート。新たに「アコースティック・アンプリファイア・テクノロジー」を採用し、CP2エンジン特有の不等間隔爆発音をより魅力的に演出。吸気系のチューニングにより、トルクフルな「ランブル感」を引き出している。
車体面では、新設計のフレームとリアアームを採用。強度剛性を引き上げつつ、倒立式フロントサスペンションの新採用と合わせて、スタビリティ向上と軽快なハンドリングを両立させた。ライディングポジションも見直し、よりスポーティな走行を実現している。

装備面では、5インチフルカラーTFTメーターを新たに採用。スマートフォンと連携し、YRCの設定変更や各種情報表示が可能になった。さらに専用アプリを使用することで、ナビゲーション機能も利用できる。
デザインコンセプトは“Natural Simplicity for everyone”。小径LEDヘッドライトと薄型のポジションライトによる新たなフロントマスクは、端正でありながら親近感を感じるデザインに。テールライトも薄型の新作となっている。先代が築きあげてきた俊敏さに寄与する軽量スリムなボディ、トルクフルな走りを想起させるスタイリングを継承しつつ、よりナチュラルかつシンプルに洗練。タンク周りからシートにかけてニーグリップをしやすくし、マシンとの一体感を感じやすいデザインとなっている。
また新型MT-07の目玉ともいえるのが、クラッチレバーやシフトペダル操作が不要の自動変速トランスミッション「Y-AMT」。左手によるクラッチ操作と、左足によるシフト操作をアクチュエーターが担うことで変速を自動化。また左手の親指と人差し指のみでの変速も可能で、ストレスなくダイレクトなフィーリングを楽しむこともできる。「MT-07 Y-AMT ABS」により幅広いユーザーのニーズに応える構えだ。

新型MT-07は、電子制御技術の採用や車体設計の見直しにより、走行性能と利便性を大幅に向上させている。ヤマハの主力モデルとして、ミドルクラスロードスポーツ市場での存在感をさらに高めることが期待されている。
価格は「MT-07 ABS」が96万8000円、「MT-07 Y-AMT ABS」が105万6000円。