知らないと損する! SUVの乗り心地を劇的に変える「YOKOHAMA ADVAN V61」の秘密

YOKOHAMA ADVAN試乗会
YOKOHAMA ADVAN試乗会全 20 枚

ここ数年、タイヤメーカーは活発な動きをしている。理由は簡単で、クルマが多様化しているからだ。カタログをご覧いただければわかるように、SUV用タイヤやエコタイヤなんてジャンルはフツーに載っている。

スポーツカー向けや四駆向けはずいぶん前からあるが、この辺は時代の変化に沿って生まれた。SUVがブームになり、環境問題が取り出されるようになって開発されたジャンルのタイヤだ。さらに言えば、SUVブームはデフォルトとなり、コンパクトからラージサイズまで多種多様に揃っている。となればタイヤだってそれに見合ったものが誕生するのは至極当然のことだろう。ここで紹介するYOKOHAMAのADVAN V61はまさにそんなタイヤだ。人気カテゴリーのクルマの性能を引き出し、日常的に快適にかつ安全に走れるよう設計・開発された。

◆国産プレミアムSUVをターゲットとしたADVAN V61

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そのカテゴリーを一言で表現するなら、“国産プレミアムSUV”となる。近年販売的にも台数を増やしているジャンルで、各自動車メーカーが鎬を削って取り組んでいる。具体的にはレクサス『RZ』や『LBX』、トヨタ『bZ4X』、マツダ『CX-60/80』あたり。これらのモデルには新車時のOEタイヤとしてADVAN V61は供給されている。それを今回からリプレイス用タイヤとして販売していくこととなった。YOKOHAMAとしては、国産中型&大型SUVにこのV61を、国産小型SUVにBluEarth-XT AE61を、欧州の中型&大型SUVにADVAN Sport V107をターゲティングしている。ADVAN V61は彼らにとってこれまで無かったポジションのリプレイス用タイヤということになる。

そんなADVAN V61の第一印象は転がり抵抗の少なさが際立った。つまり、スーッとした走り出しと滑らかな走行。これは今回のメディア向け試乗会ではもちろん、それより少し前に乗る機会があったのだが、そこで強く得た印象だ。で、試乗会ではそれをまるで「答え合わせ」のように感じることができた。しかもその実力は自らステアリングを握る前のデモンストレーションで発揮された。

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デモの内容はこんな感じ。クルマはトヨタbZ4xで、それを同じ条件で2つのタイヤの転がり抵抗を体感するというもの。タイヤはBluEarthとADVAN V61で、空気圧は指定の2.6kPa。それを積載用トラックでスロープを作りコースティング状態で走った距離を比べる。もちろん、そこで長く走った方が転がり抵抗値が低い、つまり、効率よくタイヤを回転させられるということになる。

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テストは2種類のタイヤを2回ずつ走らせたのだが、結果は明らかだった。初速の30km/hはほとんど同じだったが、最終的にADVAN V61は伸びが良く比較タイヤよりも50cmから1m弱距離を稼いだ。それだけじゃない。動力源を切り離したコースティング状態での走りは、路面からの入力とフィーリングをそのまま乗員に伝える。つまり、タイヤと路面の接地面のザラつきや細かい振動などは手に取るように感じられるのだ。が、ADVAN V61はそれらが最小限に抑えられていた。まさにタイヤは水面を滑るように転がり、邪魔するものがない。乗っていて気持ちの良さが後に残るほどだ。

◆乗って確実に実感するタイヤ性能に驚く

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次にそれを自走してみたが、そこでも印象は変わらなかった。アクセルオンに対するひと転がり目から滑らかに動き出す。テストコースにはちょっとした段差が一定間隔で作られており、そこを低速で走らせたりしたのだが、その時のおさまり方も良かった。入力に対する当たりはソフトで、乗員に嫌な振動を与えない。それでいて柔らかさの先にしっかり感があって足を安定させる。そこを20、30、40km/hで周回しタイヤの反応をみたが、どの速度域でも淀みはない。特に速度を低くすればするほどおさめ方は素晴らしく、ダンっ!という入力をコンパウンドレベルで優しく押さえこむようなフィーリングを得た。

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試乗はこの他にもいくつかのモデルで行われた。マツダ『CX-80』、日産『アリア車名、三菱『アウトランダーPHEV』新型などだ。

そこで感じたのは静粛性の高さ。当たりの柔らかさが高級感を生むのだが、そればかりか静かさでもそれを感じさせる。そこで、転がり抵抗の良さと静粛性は両立するのかという質問を開発陣に投げてみた。抵抗を低減することで無駄な摩擦が減るのは静かさと直結するように思えたからだ。が、答えはノー。転がり抵抗の低減と静粛性の向上は異なるベクトルで開発されるという。この辺はリアルな答えだろう。あらためてタイヤの奥深さを知った気がする。

説明によるとこの他ではウェット性能が高いということだったが、今回はそれを試すシーンは無かった。とはいえ、この部分は昨今のプレミアムブランドのクルマにとって定番になるだけに必須項目と言えるだろう。そこを視野に入れて開発しているのだから抜かりはない。

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というのが今回の試乗インプレッション。ADVAN V61にはAIを駆使した“HAIColab”の活用など最新技術が投入されていることも付け加えよう。それにトレッドパターンのカッコよさも特筆ポイント。トリプルセンターリブが主張するトレッドは二枚目につくり上げられている。まさに見た目良し、使って良しのADVAN V61である。

《九島辰也》

九島辰也

九島辰也|モータージャーナリスト 外資系広告会社から転身、自動車雑誌業界へ。「Car EX(世界文化社 刊)」副編集長、「アメリカンSUV(エイ出版社 刊)」編集長などを経験しフリーランスへ。その後メンズ誌「LEON(主婦と生活社 刊)」副編集長なども経験する。現在はモータージャーナリスト活動を中心に、ファッション、旅、サーフィンといった分野のコラムなどを執筆。また、クリエイティブプロデューサーとしても様々な商品にも関わっている。趣味はサーフィンとゴルフの“サーフ&ターフ”。東京・自由が丘出身。

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