【トヨタ クラウンクロスオーバー 新型試乗】高速で発揮されるツアラー的なキャラクター…島崎七生人

トヨタ クラウンクロスオーバー Z
トヨタ クラウンクロスオーバー Z全 18 枚

“クロスオーバー”の名が与えられたこの『クラウン』。すでに街中でもお馴染みのクルマだが、意外や運転席にベテランと思しきオーナーが乗っている場合も多く、昔のVANのキャッチコピーではないが“young at heart”な人が少なくないことが伺える。

よく見ると“スポーツ”とはフロント回りのデザインは別物。ごく個人的にはフード、リヤ回りがブラックの塗り分けとなるバイトーン(2トーン)より、全体がボディ色1色のモノトーンのほうが、スッキリと伸びやかなスタイルを目で見て楽しんでいられるとは思う。

トヨタ クラウンクロスオーバー Zトヨタ クラウンクロスオーバー Z

最低地上高は145mmと実は“スポーツ”の165~160mmよりも低いのだが、とくにサイドビューでボディが天地にスリムなせいか、リフトアップしたクロスオーバー感をより実感させる……といったところだ。

乗り込みは(“スポーツ”もそうだが)床面がやや高めに感じた。ただし後席はスペースの余裕と、シートバックの角度調節が可能なため、キチンとした姿勢からゆったりと寛いだ姿勢まで、好みのポジションがとれる。

トヨタ クラウンクロスオーバー Zトヨタ クラウンクロスオーバー Z

ラゲッジスペースはリヤゲートではなくリッドを開けてアクセスする方式で、スペースは奥行き1110mm、幅1040~1300mm、リヤトレイ裏側までの高さは490mmほど(筆者実測値)。ボディ構造に正直に添わせたトリム形状は多少凹凸がみられるが、実用的な容量(450リットル)で、カタログには9.5インチのゴルフバッグが3個まで収納可能とされている。

試乗車は「Z」グレードで、2.5リットルエンジン(A25A-FXS型)搭載のHEV(ハイブリッド)モデル。電気式4WDシステムのE-Four(前後トルク配分は100:0~20:80)も組み合わせられ、システム最高出力は234ps。

トヨタ クラウンクロスオーバー Zトヨタ クラウンクロスオーバー Z

走らせた時の印象は、昔ながらのクラウンの先入観が強いと、出足の乗り味などやや引き締まっており、素性としてのスポーティさは感じる。エンジン音や振動も多少意識させられる。が、ひとたびスピードを上げていくとメキメキとフラットでなめらかな乗り味に変わり、ドライバビリティもグッと上質なものとなる。高速走行時の直進安定性などもひとしおで、ツアラー的なキャラクターが発揮される。

■5つ星評価
パッケージング:★★★★★
インテリア/居住性:★★★★★
パワーソース:★★★★★
フットワーク:★★★★
オススメ度:★★★★★

島崎七生人|AJAJ会員/モータージャーナリスト
1958年・東京生まれ。大学卒業後、編集制作会社に9年余勤務。雑誌・単行本の編集/執筆/撮影を経験後、1991年よりフリーランスとして活動を開始。以来自動車専門誌ほか、ウェブなどで執筆活動を展開、現在に至る。便宜上ジャーナリストを名乗るも、一般ユーザーの視点でクルマと接し、レポートするスタンスをとっている。

《島崎七生人》

島崎七生人

島崎七生人|AJAJ会員/モータージャーナリスト 1958年・東京生まれ。大学卒業後、編集制作会社に9年余勤務。雑誌・単行本の編集/執筆/撮影を経験後、1991年よりフリーランスとして活動を開始。以来自動車専門誌ほか、ウェブなどで執筆活動を展開、現在に至る。便宜上ジャーナリストを名乗るも、一般ユーザーの視点でクルマと接し、レポートするスタンスをとっている。

+ 続きを読む

【注目の記事】[PR]

ピックアップ

教えて!はじめてEV

アクセスランキング

  1. 三菱『デリカミニ』がフルモデルチェンジ!「やんちゃ坊主」感アップ、走りも三菱らしく進化
  2. 世界初、個人所有できるレベル4自動運転「ロボカー」誕生、2026年に納車開始
  3. 【日産 ルークス 新型】「ルークスはパイクカー」開発デザイナーが立ち返った“軽ならではのデザイン”とは
  4. 日産『ルークス』新型、クールなカスタマイズモデル「AUTECH LINE」が登場! 専用の黒内装も
  5. 『マツダ3』、米2026年モデルで「ハーモニックアコースティクスオーディオ」を標準化
ランキングをもっと見る

ブックマークランキング

  1. 「AIディファインド」の衝撃、日本の自動車産業は新たな波に飲み込まれるのか…アクセンチュア シニア・マネジャー 藤本雄一郎氏[インタビュー]
  2. EV充電インフラ-停滞する世界と“異常値”を示す日本…富士経済 山田賢司氏[インタビュー]
  3. ステランティスの水素事業撤退、シンビオに深刻な影響…フォルヴィアとミシュランが懸念表明
  4. SUBARUの次世代アイサイト、画像認識技術と最新AI技術融合へ…開発にHPEサーバー導入
  5. 「ハンズオフ」は本当に必要なのか? 高速での手離し運転を実現したホンダ『アコード』を試乗して感じた「意識の変化」
ランキングをもっと見る