アウディは、ミッドサイズモデル『アウディ100』『A6』の歴史を振り返る特別展示会を、ドイツの「アウディ・フォーラム・ネッカーズルム」で開始した。アウディ・トラディションが主催するこの展示会は、4月30日まで開催される。
展示会では、1968年に登場したアウディ100から始まり、8世代にわたるCモデルシリーズの17台が展示されている。アウディ100は4世代にわたり、ゴールデンステアリングホイール賞を5回、カー・オブ・ザ・イヤーを2回、自動車ジャーナリストによるワールドカー・オブ・ザ・イヤーを1回受賞するなど、数々の栄誉に輝いた。その成功は、累計320万台の販売台数に表れている。

アウディ100の開発には興味深い裏話がある。1960年代半ば、フォルクスワーゲンがアウト・ウニオンを買収し、新モデルの開発を禁止した。しかし、当時の技術責任者ルートヴィヒ・クラウスは、この命令を無視し密かに開発を進めた。クラウスの勇気ある決断は報われ、最終的にヴォルフスブルクから開発の許可を得ることができた。
1968年に生産が開始されたアウディ100は、すぐに生産能力の限界に達し、1970年にはネッカーズルム工場に生産を移管した。初代モデルだけで80万台を販売し、その後3世代にわたり、全面亜鉛メッキボディや空力性能の最適化、高効率エンジンなど、数々の革新的技術で「Vorsprung durch Technik(技術による先進)」を体現した。
1994年以降は、アウディA6がアウディ100の成功を引き継いでいる。今回の展示会では、アウディ100の9バリエーションとA6の8バリエーションに加え、2024年モデルのアウディ『RS 6 Avant GT』も展示されている。

キュレーターのステファン・フェルバー氏によると、展示される17台の車両はそれぞれ特別な特徴を持っている。系譜の始祖となる「最初の1台」をはじめ、「世界旅行者」「広々とした1台」「長い1台」「傾斜した1台」「つながった1台」「最高の1台」など、ユニークな呼び名が付けられている。
アウディ・フォーラム・ネッカーズルムは月曜から金曜の8時から16時まで開館しており、入場は無料。展示会のガイドツアーも利用可能だ。土日祝日は休館となる。