日本マリン事業協会は2月26日、主催する『ジャパンインターナショナルボートショー2025』の開催概要を発表した。
従来のパシフィコ横浜、横浜ベイサイドマリーナ、八景島マリーナに今回は日本丸シーカヤックを加えた4会場で、165艇の展示を始め、子供やマリンスポーツ未経験者も楽しめる体験・学習コンテンツも用意し、3月20日から23日までの4日間にわたり開催する。
日本マリン事業協会のジャパンナショナルボートショー委員会竹長潤委員長は同日都内で開いた記者会見で「前回から1会場増えていて、メイン会場はパシフィコ横浜とベイサイドマリーナ、そして八景島マリーナ、新たに日本丸シーカヤックパークを加えた4会場になる。出展社は199社。展示席数は165隻。出展内容はマリン関係からプレミアムカード、インポートカー、リゾートホテルなどのサービスで、展示製品総額は約155億円、最高額はベイサイドマリーナ会場に展示する約20メートルの『Princess F65』の約6億円という規模になっている」と説明。

来場者目標に関して竹長委員長は「ちょうど10年前に5万人を超えて伸び続けていたが、(2020年に)コロナで開催中止になり、その後(2023年、2024年は)3万5000人となかなか這い上がれていない。今年は5万人をまず目標にして今、いろんな告知を含めて活動している」と明かした。
その上で「魅力あるたくさんの出展や、様々な体験コンテンツ、子供たちに対しては学びの場を提供しながら、今回、初めての来場者を(全体の)50%にしたい。リピーターが減るのではなく、(初めての来場者を)上乗せして5万人を目指す。非常にハードルは高いが、なんとか半分の方々が初めてボートショーにいらっしゃったというふうになるよう今活動している」と述べた。
初心者向けのコンテンツを増やす一方で、マリンスポーツ経験者も楽しめる展示にも力を入れている。屋内、海上に展示される165隻に加えて、「上質な時間と空間の提供ということで、プレミアムな製品の紹介。とくに近年はインポートカーの出展が非常に多いが、なかなかモビリティショーでは見られないクルマが勢ぞろいする」とのことだ。

今回のボートショーでは4会場に増やして、コロナ禍前レベルとなる5万人の来場を見込むとしているが、足元のマリン市場は厳しい状況が続いている。
日本マリン事業協会の渡部克明会長(ヤマハ発動機社長)も「コロナ禍の一過性の需要増はあったものの、これがなかなか定着はせず、その反動を受けて現在マーケットは全体的には縮小傾向になっている」と話す。
ただ一方では「こうした厳しい状況のもとではあるが、逆に課題ははっきりしている。単にマーケットを拡大することではなく、まずはボートレジャーに対する興味、関心を持つ人をいかに増やすか、その層をいかに厚く蓄えていくかが大切」とも強調。
その上で「我々マリン業界にとって非常に厳しい年が続いているが、私たちは海の楽しさを広く世の中に伝え、ボートレジャーの未来を造る使命がある。インターナショナルボートショーは、その活動の軸、様々なコンテンツが詰まっている」とし、ボートショーへの期待をにじませていた。
