「なぜプリウスは8連覇できたのか?」プロが選んだ“本当にいいクルマ”の条件とは…いいクルマアワード2025

大賞にに選ばれたトヨタ自動車の増田裕子氏(右)といいクルマアワードの三浦和也選考委員長(左)
大賞にに選ばれたトヨタ自動車の増田裕子氏(右)といいクルマアワードの三浦和也選考委員長(左)全 9 枚

今年で9回目となる「いいクルマアワード」の表彰式が2月26日、東京ビッグサイトで開催中の第22回国際オートアフターマーケットEXPO 2025の会場に隣接するレストランにて行われ、大賞にはトヨタプリウス』が選出された。

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◆クルマのプロが選ぶユーザーにとって“いいクルマ”を選ぶ

「いいクルマアワード」は自動車の修理・整備・販売・買取り等に携わる方(アフターマーケット事業者)の視点で、「いいクルマ」を選び、表彰させて頂くアワードで、メーカー(製造側)視点ではなく、アフターマーケット事業者がプロの視点で「いいクルマ」を選ぶことにより、一般ユーザーにとっては非常に興味深くまた参考になる結果として注目されている。

トヨタ自動車の増田裕子氏トヨタ自動車の増田裕子氏

2025の大賞に輝いたのは第2回から連続8回の受賞となるトヨタ・プリウス。表彰式ではプリウスの開発チームを代表し、国内事業部 部用品・アップグレード事業室 アップグレードグループ主任 国内事業部 デジタル戦略グループ主任の増田裕子氏が登壇した。

表彰式では主催者であるオートアフターマーケット連絡協議会を代表しレスポンス編集長の三浦和也より賞状とトロフィーが手渡された。プリウスが選出された理由として、「燃費がいい」という直接的なコメントはもとより、「ハイブリッドの先駆者」、「ランニングコストが安い」というハイブリッドらしさに加えて、「価格」、「維持費」、「リセールバリュー」、「価格の割にいいクルマ」、「中古車市場でも価値が高い」、「長く乗れる」、「スタイルの良さ」「新型のデザインが良い」といったデザインに関する評価や「壊れにくい」「長く使っても故障がない」「20万km走っても問題なし」という耐久性の高さなどが評価されている。

表彰に先立って、増田氏が担当するクルマのアップデートについてお話を聞いた。

---:増田さんはクルマのアップデートをご担当されているとのことですが、これからの時代はクルマを買っただけでなく、買ったクルマがアップデートされていく時代になっていくのでしょうか?

「世の中的に買ったモノが進化するという時代に入っていて、買ったものがそのままではなく進化するんだよねっていう価値観にだんだんお客様もなっているようなっていうのは感じています。

一方でクルマってどうなんだというふうに目を向けると、買った瞬間って、一番新しいですし最新の状態なんですけど、その後は価値もどんどん下がってきますし、最新だった機能ってどんどん古くなっていって新しい機能を使おうと思ったら、代替せざるをえないっていう状態だということに対してわれわれは危機感を持っています。

メーカーとしてはもちろん新しいクルマに乗り換えていただきたいんですけど、そうもいかないお客様も世の中にはいっぱいらっしゃるのが実状です。私達は幸せの量産という言葉を使うのですが、これにはいろいろなカテゴリーのいろいろなお客様、中古車を買われるお客様もそうですし、ずっとひとつのクルマを愛されて長く乗るお客様もいますし、代替されるお客様もいます。こうしたお客様みなさまに幸せになってほしいという思い、クルマに新しい機能も後からでもつけるとか、自分好みにできるという楽しさを感じていただきたいということで、クルマとお客様一緒に寄り添い続ける、そんな考え方をこのアップグレードというところに込めています」

---:実際に今のプリウスはどれぐらいのことができるのでしょうか?

「新車のときには機能として存在していなかった装備を取り付け可能なこともあります。たとえばディスプレイのサイズを大型化できますし、安全機能であるトヨタセーフティセンスの機能をOTAでソフトウェアの更新できるなどですね。そのほか、当初から設定はあったんだけれども、そのときに選ばなかった選び忘れなどや、中古車を買って装備されていなかったメーカーオプションを後付け工場装着できたりなどします。パノラミックビューモニターや外部給電などといった改造レベルになってしまうようなものもできるようになってきています」

---:なるほどつまりそのソフトウェアのアップデートだけじゃなくてモニターなどハードウェアのアップデートもかなり対応されてるわけですね。

「はい、そのとおりです。なのでそのソフトウェアだけじゃないのかといえば、ソフトウェア更新だけのメーカーもありますが、それだけでできるクルマは限られていますし、できることも限られています。そうしたなか今まで売ったクルマたち置いてくのかっていう話かなと思っていて、3代目プリウスに踏み間違い防止装置を付けられないけど、どうするのかという議論が出たときも、ハードウェアとソフトウェアを掛け合わせでできるようにしてきたのです」

---:素晴らしいことだと思います。そうして3代目プリウスなどに取り付けられる踏み間違い防止装置が生まれてきたのですね。今まではメーカーオプションで取り付けなかったら諦めるしかなかったですし、中古車で未装着も諦めるしかなかった。そうしたことがこれからは違うフェーズに入っていきますね。

「そうですね。私たちもそういうことをこれまでやりきれてなかった部分があります。やりきれなかったのはクルマ側にそういう準備ができてなかったりしたからです。ですので、今は作業に時間がかかります。今後はクルマ側もそうしたことがしやすい本当に取り付けやすいハーネスに変更してきています。これをわれわれは“アップグレードレディ設計”と呼んでいます。たとえば、今までだとシートからなにから全部はがさないとできなかった作業であっても、コネクタが追加されていることですぐにもできる。そういうことも含めてもうソフトもハードも開発するようになってきています。プリウスに設定した『Uグレード』は、もちろん制限がない“Unlimited”の意味もありますが、あなただけの愛車にしてほしいということで“Your”の意味も込めました」

---:なるほど、しかしたとえばサンルーフとかかなり難しい装備もありますよね。

「もうまさにサンルーフなどはそうですが、やってやれないことはないんです。ただお客様がどれくらいの費用負担、どれくらいの待ち時間を負担できるか? が関係してきます。そこのバランスがとれたところが設定のあるなしになってくるのだと思います」

---:トヨタがこうした部分に取り組み、先んじてやっていただけるのはとてもいいことだと思います。法規や規制といった制限の部分もトヨタなら、切り開いて行きやすいと思います。今後のさらなる発展にも期待がふくらみます。本日はありがとうございました。

《諸星陽一》

諸星陽一

自動車雑誌の編集部員を経て、23歳でフリーランスのジャーナリストとなる。20歳代後半からは、富士フレッシュマンレースなどに7年間参戦。サーキットでは写真撮影も行う、フォトジャーナリストとして活動中。趣味は料理。

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