アウディ『A6アバント』新型が正式発表、最新MHEVでエンジン車もまだまだ進化する

アウディ A6アバント 新型
アウディ A6アバント 新型全 36 枚

アウディは3月4日、新型『A6アバント』を世界初公開した。先行してバッテリーEVの『A6 e-tron』が発表されていたが、エンジン車のA6も、新たなハイブリッド技術を採用しフルモデルチェンジする。「まさにファーストクラスの旅を提供する一台」とアウディはアピールする。

新型A6アバントは、これまで以上にダイナミックで効率的、そしてデジタル化が進んだモデルとして進化した。ガソリンエンジンとディーゼルエンジンはそれぞれ最新のマイルドハイブリッド技術「MHEVプラス」を搭載、CO2排出量を削減しながら性能を向上させた。

走行性能面ではアダプティブエアサスペンションと四輪操舵を採用することで、長距離ドライブや市街地走行などあらゆるシーンで高い快適性と俊敏なハンドリングを両立するという。


◆「A6 e-tron」とは異なる独自デザイン

アウディ A6アバント 新型アウディ A6アバント 新型

スタイリッシュなワゴンボディは、Cd値(空気抵抗係数)0.25を実現、内燃エンジン搭載のアウディアバント史上最高の空力性能を誇る。フロントには大型のエアカーテンと可動式のエアインテークが備わり、リアではルーフスポイラーとリアウィンドウ側面のエアロダイナミックパネルが空気抵抗の低減に寄与する。

エクステリアはBEVのA6 e-tronとはデザイン上の共通点はほぼなく、フロントマスクはe-tronが上下2眼ヘッドライトなのに対し新型A6アバントは新型『A5』に近いオーソドックスな形状のヘッドライトとなっているほか、サイドウインドウの形状やテールエンドはよりなだらかな傾斜がつけられ、アウディアバントらしいシルエットとなっているなど、完全に差別化が図られている。

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ショルダー部から力強く張り出した「クワトロブリスター」やワイドなトレッド、長いホイールベースと伸びやかなボンネットが新型A6アバントのエレガントさとダイナミックさを際立たせている。

インテリアには11.9インチの「バーチャルコックピット」、14.5インチの「MMIタッチディスプレイ」、10.9インチの助手席ディスプレイを採用したことによる「アウディMMIパノラマディスプレイ」を実現。直感的でユーザーフレンドリーな操作・インフォテインメントシステムとなっている。またAIアシスタントとChatGPTを統合することで、自然な会話で車両設定や情報検索が可能となった。

◆「MHEVプラス」で進化したエンジン版A6アバント

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新型A6アバントのエンジンラインアップは、ガソリン2種(2.0リットルTFSI、3.0リットル TFSI V6)、ディーゼル1種(2.0リットル TDI)の計3種類で、このうち2.0リットルTFSIを除く2種に「MHEVプラス」が採用される。

2.0リットルTDIエンジン(204ps/400Nm)、3.0リットル TFSI V6エンジン(367ps/550Nm)に組み合わせられるMHEVプラスシステムは、48Vバッテリー、ベルトオルタネータースターター(BAS)、パワートレインジェネレーター(PTG)から成り、CO2排出低減と同時にパフォーマンスと快適性の向上も図る。

PTGは、電動パーキングや低速走行時のEVモードも可能にする。さらに、都市部や渋滞時、または郊外で惰性走行を行う際にも電動走行が可能だ。さらにPTGにより加速時や追い越し時に最大230Nmの追加トルクと最大24psの電力を供給、減速時には最大25kWのエネルギー回収が可能だとしている。

◆「エアサス」と「四輪操舵」が生み出すスポーティさと快適性

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新たなプラットフォーム「プレミアム・プラットフォーム・コンバッション(PPC)」をベースに設計された新型A6アバントは、オプションの四輪操舵システムとアダプティブエアサスペンションによって、スポーティさと快適性を両立。エアサスペンションは車高調整やショックアブソーバーの制御を行い、「クワトロスポーツディファレンシャル」がさらなる俊敏性を実現する。

標準装備の「プログレッシブステアリング」は従来よりもダイレクトな応答を実現。ステアリング機構全体の剛性を高めることで、操舵フィールが向上したという。フロントアクスルのキャンバー角も若干増加し、路面からのフィードバックを強化、精密かつ軽快なハンドリングを実現した。

四輪操舵システムはクワトロ全輪駆動システムと連携し、低速時には後輪を前輪とは逆方向に最大5度まで操舵。これにより、狭い市街地やカーブでの俊敏性が向上し、最小回転半径も1メートル縮小。中高速域では後輪が前輪と同じ方向に動き、安定性と精度を向上させる。

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◆エントリーモデルは約908万円から

アウディのゲルノット・デールナーCEOは、「私たちはアバントの歴史に新たな章を刻みます。新型アウディA6は、エレガントかつダイナミックなデザインと優れた空力性能を融合させています。高効率でありながら高性能なパワートレインと先進のサスペンション技術により、A6での移動はまさにファーストクラスの体験となるでしょう。A6を刷新することで、私たちは重要なモデルシリーズの一つを新たに生まれ変わらせます」と語る。

価格はエントリーモデルの2.0リットルTFSIが5万8000ユーロ(約908万円)から、MHEVプラス技術を搭載したディーゼルの2.0リットルTDIが6万1700ユーロ(約966万円)から。2025年5月末より納車を開始する。

なお、BEVのA6 e-tronではセダン(スポーツバック)とアバントがあるが、今回登場したエンジン車はアバントのみ。セダンもしくはスポーツバックが設定されるか否かについては未発表。

《レスポンス編集部》

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