米国の関税措置、「自動車業界に深刻な影響」ドイツ自工会が警鐘

BMWのメキシコのサン・ルイス・ポトシ工場で生産される2シリーズ・クーペ(参考画像)
BMWのメキシコのサン・ルイス・ポトシ工場で生産される2シリーズ・クーペ(参考画像)全 3 枚

ドイツ自動車工業会(VDA)は、トランプ米大統領が発動したメキシコとカナダからの輸入品に対する関税措置について、厳しく批判する声明を発表した。

VDAによると、この関税措置は中国製品への追加関税と合わせて、ルールに基づく世界貿易に深刻な打撃を与えるものだという。特に北米の自動車産業のサプライチェーンと生産ネットワークに大きな影響を及ぼし、消費者にも悪影響が及ぶと警告している。

さらにVDAは、この関税措置がトランプ大統領自身が交渉し締結したUSMCA(米国・メキシコ・カナダ協定)と矛盾すると指摘。自動車産業の緊密に結びついたサプライチェーンに大きな負担をかけ、北米の消費者に悪影響を及ぼすと懸念を表明している。

自動車産業の国際分業が進む中、部品が完成車に組み込まれるまでに何度も国境を越えることがある。新たな関税措置は、こうした生産工程にも悪影響を与えるとVDAは分析する。

地政学的緊張の高まりと保護主義の台頭により、企業はますます現地市場重視の戦略を取らざるを得なくなるとVDAは予測。これがドイツと欧州の雇用に影響を与える可能性があるとしている。

VDAは、ドイツと欧州がメキシコやカナダと協力し、ルールに基づく世界貿易を支持・強化するパートナーシップと国際協力を緊急に推進する必要があると主張。同時に、課題はあるものの米国との大西洋横断パートナーシップを支持し続けるべきだとしている。

さらにVDAは、EUが自由貿易協定の締結を推進し孤立主義に反対する姿勢を評価。より断固とした態度で世界の多くの地域と自由貿易協定を結ぶべきだと提言している。欧州委員会と加盟国に交渉での実務的な対応を期待するとともに、新ドイツ連邦政府にリーダーシップを求めている。

《森脇稔》

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