アルピーヌは、同社初のスポーツファストバックEV『A390』のプロトタイプの写真を公開した。A390は5月27日、同社の70周年記念イベントに合わせてフランスのディエップで初公開される予定だ。
現在、スウェーデンのラップランドで極寒テストが行われており、氷点下40度の環境下で雪道や凍結した湖上での走行テストが実施されている。これらのテストは、5年分の加速使用に相当する条件を再現し、将来の量産モデルの耐久性と信頼性を確保することを目的としている。
アルピーヌのエンジニアリングチームは、A390に搭載される3つの電気モーターによる駆動システムや、新たに追加された「トラックモード」を含む5つの走行モードなど、様々な技術の検証を行っている。特に動的性能には細心の注意が払われており、アルピーヌらしい俊敏性と高い運動性能の実現を目指している。

A390の特徴として、5人乗りのスポーツカーであることが挙げられる。全長4615mm、全高1532mm、全幅1885mmのボディサイズで、充分な室内空間を確保しつつ、日常使用と本格的なスポーツドライビングの両立を図っている。
外観デザインでは、独自の照明シグネチャーが採用され、フロントのライトストリップの下には「コズミックダスト」と呼ばれる三角形の発光クラスターが配置されている。また、空力性能を高めるボンネットブレードやマイクロパーフォレーテッドグリルなど、機能美を追求したデザイン要素も取り入れられている。

内装では、モータースポーツからインスピレーションを得たスポーティなナッパレザーステアリングホイールが採用され、F1マシンのステアリングを模した3つのコントロールボタンが装備されている。
アルピーヌA390は、『A110 R』と同等の加速性能と高いコーナリング性能を備えつつ、5人乗りの実用性を兼ね備えた新しいタイプのスポーツカーとして、自動車市場に独自のポジショニングを確立することを目指している。