ヤマハ発動機販売は、スポーツツーリングモデル『トレーサー9 GT ABS』の2025年モデルを4月15日に発売すると発表した。価格は159万5000円から。
新型は「The matured Multirole fighter of the motorcycle」をコンセプトに、市街地からツーリングまで多用途でスポーティかつ快適な走りを楽しめる多目的なスポーツツアラーとして、さらなる熟成と進化を遂げている。
先行車と対向車など周囲の状況にあわせて部分的に点灯・消灯・照射を自動制御する「マトリクスLEDヘッドランプ」、メインキーをONにして30秒間、減衰力を低下させて車両の取り回しを支援する電子制御サスペンションなど、ライダーをサポートする新技術を搭載。

またフレームの最適化などによる良好な操縦性と安定性の実現や、電動スクリーン採用をはじめ居住性やウインドプロテクションの見直しによる快適性向上、スマートキー、USB Type-A端子対応ソケット内蔵のストレージコンパートメント、スマホとつながる機能を備えた7.0インチフルカラーTFTディスプレイなど機能・装備を充実させた。
YVSL(ヤマハバリアブルスピードリミッター)も新採用。ライダーが設定した任意の速度を超過しないよう、エンジン出力を制限するもので、速度調整をアシストすることでスロットル操作の負担を軽減する。設定の下限スピードは50km/h。

快適性の向上については、新たに無段階で100mm可動する電動スクリーンを採用。風洞実験とCFD(数値流体力学)解析を繰り返し、フロントのカウリングやスクリーン形状を見直すことでウインドプロテクション効果による快適性を高めた。
シートは内部のクッションを増量し、燃料タンクへ繋がる前部を徹底的にスリム化、快適性と足つき性を向上している。
ハンドルの切れ角も2021年モデルの32度から35度へ増大し、取り回し性を向上。ヒップポイント、ハンドルバーの垂れ角と絞り角もそれぞれ見直し、長距離走行や高速巡航でもより快適なライディングポジションを実現することで疲労軽減に貢献する。

走行モードは4種のモードを選べる従来の「D-MODE」から、新たに「YRC(Yamaha Ride Control)」へと進化。走行フィーリングの選択だけでなく、各種電子制御の介入度も選べるようになっている。プリセットの3種(SPORT/STREET/RAIN)の他、2種のカスタマイズ枠(CUSTOM1/2)を設けている。
デザインは“Mind Tracking Partner”をコンセプトにアップデート。旅へ誘う頼れるパートナーとしてベースモデルである『MT-09』の俊敏さを継承しつつ、必要最小限のカウリングでスポーツ性と快適性を両立したという。車両軸に沿って配置された導風デバイスは、風を活かすトレーサー9 GTならではののアローシルエットを表現している。

カラーバリエーションは、熟成を感じさせる上質感のある「マットライトグレー」と、艶消し色を組み合わせコントラストをつけた落ち着きある「マットダークグレー」の2色展開。