ファン待望のホンダ『CB1000F Concept』がサプライズ公開! 80年代の「F』が蘇る…大阪モーターサイクルショー2025

ホンダ CB1000F Concept
ホンダ CB1000F Concept全 21 枚

3月21日、「大阪モーターサイクルショー2025」が開幕。ホンダはファン待望のモデル、『CB1000F Concept』をサプライズ公開した。28日に開催される「東京モーターサイクルショー2025」でも目玉となること間違いなしのCB1000Fだが、コンセプトモデルだけにスペックなどの詳細は未発表。というわけで今回は、プロレーサーでありテストライダーの丸山浩氏が、実車を見ながらその見どころを解説&スペックを大予想!

◆80年代の「F」らしさ満載

ホンダ CB1000F Conceptホンダ CB1000F Concept

CB1000F Conceptは、1月に発売されたばかりの『CB1000ホーネット』をベースに往年の『CB900/750F』モチーフの外観が与えられたネオレトロなスポーツネイキッドで、ライバルはずばりカワサキの『Z900RS』。

と言っても車名のとおり、まだコンセプトの段階で市販モデルでは無いが、市販化は確実だと信じたい。と言うのも、2020年の東京モーターサイクルショーでも『CB1000R』をベースに『CB-F Concept』として展示されたのだが、あいにくコロナ禍が直撃。そのときに市販計画は頓挫となったのに、わざわざこうして5年越しに復活してきたからだ。

さて実車を前にすると、80年代の「F」らしさが満載だ。Fファンには譲れないちょっと跳ね上がっているテールエンドやデカいテールレンズをはじめ、やや高めの位置にセットされた大きめの丸型ヘッドライトとその下に並ぶ2つのホーン。シート表皮に刻まれているブロック形状のシボもなかなか頑張っている。

ホンダ CB1000F Conceptホンダ CB1000F Concept

ウインカーは…、まだコンセプトだから今回は付いていないのか。ここは将来的にどうなるか楽しみだ。マフラーについては後で述べるとして、一番目に入る燃料タンクは開発陣が相当に頑張って現代のFを作り上げてくれた。

当時の背骨1本のダブルクレードルではなく現代的なツインスパーダイヤモンドを使うホーネットのフレームでは、サイドがストンと落ちて直方体のような80年代F形状をそのまま再現するのは流石に無理だったようだが、横に広がったフレームのメインパイプの上に見事にタンクを被せてキチンと「あの頃」の雰囲気を再現している。

◆水冷式エンジンになっても「メカメカしさ」は健在

ホンダ CB1000F Conceptホンダ CB1000F Concept

次にエンジン。エンジン自体はCB1000ホーネットなので吸気がダウンドラフトで上からまっすぐインジェクターで入ってくるタイプ。タンクが横に広がっているのは、ホリゾンタル吸気でエアクリボックスが後ろにある昔のFと違ってタンク内にエアクリボックスを収め、加えて今はインジェクションだから燃料ポンプも収める必要があるからだ。もっとも、そのおかげで最高出力はCB1000ホーネットそのままに152ps(SPでは158ps)となると予想。

Fにしたから馬力を落とすというのは今時あまり考えないのでは。造形についても昔の「CB-F」の空冷に対して今回は水冷だが、ホース類の取り回しも秀逸で負けず劣らずメカメカしい美しさ。

ホンダ CB1000F Conceptホンダ CB1000F Concept

マフラーがこれまた雰囲気よく、メガホンタイプのサイレンサーにスッと下に伸びていくエキパイ。触媒部分のあたりが俗に言う「弁当箱」のようなプリボックス型ではなく、フルバンクしたときにもスマートに見える形状なのが嬉しい。エキパイは1-2番と3-4番パイプを先に連結する4-2-1集合となっており、この集合部間が意外と長めに取ってあったので、けっこうトルクフルな特性になっている予感だ。

◆運動性能も価格も、期待せずにはいられない

跨ってみると足着きは身長167cmの私で両足の指がしっかり着くくらい。ビッグバイクらしい大きさを感じつつも、引き起こしが実に軽いので多くの人にオススメできるだろう。ハンドルバーは結構アップに見えて幅も意外と広めとスーパーバイクレース用のよう。前傾して乗ってみるのもいけそうだ。

足回りはフロントのSFF-BP倒立フォークやリヤのスイングアーム形状などCB1000ホーネットと同じだと思われ、なかなかのスポーツ感。

ホンダ CB1000F Conceptホンダ CB1000F Concept

実際に152ps&車重211kgのCB1000ホーネットは、この足との組み合わせでリッターネイキッドの中でも屈指の運動性能を見せてくれたから、「CB1000F」にも今から期待せずにはいられない。CB1000ホーネットにはオーリンズサスのSPがあるように、もし「CB1000F」が市販されたらこちらにもSPが出たりするのだろうか。そうなれば、さらにアツい走りにも応えてくれそうだ。

と言う感じで、見た目にも走りにも大きな期待を寄せたくなる「CB1000F Concept」。でも、あくまで最初に述べたようにまだコンセプトの段階。モーターサイクルショーの会場ではぜひともホンダの人に「市販してほしい!」と皆の声をぶつけてほしい。

CB1000ホーネットばりの軽い車重にどデカいパワー、そして価格もCB1000ホーネットがスタンダードで134万2000円だからそんなに高くならないはずと、すべての面で「Z900RS」を上回るこのモデルの登場をCBファンそしてホンダファンは待っている!

ホンダ CB1000F Conceptと丸山浩氏ホンダ CB1000F Conceptと丸山浩氏

丸山浩|プロレーサー、テストライダー・ドライバー
1988年から2輪専門誌のテスターとして活動する傍ら、国際A級ライダーとして全日本ロード、鈴鹿8耐などに参戦。97年より4輪レースシーンにもチャレンジ。スーパー耐久シリーズで優勝を収めるなど、現在でも2輪4輪レースに参戦し続けている。また同時にサーキット走行会やレースイベントをプロデュース。地上波で放送された「MOTOR STATION TV」の放送製作を皮切りに、ビデオ、DVD、BS放送、そして現在はYouTubeでコンテンツを制作、放映している。また自ら興したレースメンテナンス会社、株式会社WITH MEの現会長として、自社製品、販売車両のテストライド、ドライブを日々行っている。身長は168cm。

《丸山浩》

丸山浩

丸山浩|プロレーサー、テストライダー・ドライバー 1988年から2輪専門誌のテスターとして活動する傍ら、国際A級ライダーとして全日本ロード、鈴鹿8耐などに参戦。97年より4輪レースシーンにもチャレンジ。スーパー耐久シリーズで優勝を収めるなど、現在でも2輪4輪レースに参戦し続けている。また同時にサーキット走行会やレースイベントをプロデュース。地上波で放送された「MOTOR STATION TV」の放送製作を皮切りに、ビデオ、DVD、BS放送、そして現在はYouTubeでコンテンツを制作、放映している。また自ら興したレースメンテナンス会社、株式会社WITH MEの現会長として、自社製品、販売車両のテストライド、ドライブを日々行っている。身長は168cm。

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