プジョー208で実現した“純正風”高音質カスタム術[Pro Shop インストール・レビュー]by ブリーズ 前編

プジョー208で実現した“純正風”高音質カスタム術[Pro Shop インストール・レビュー]by ブリーズ 前編
プジョー208で実現した“純正風”高音質カスタム術[Pro Shop インストール・レビュー]by ブリーズ 前編全 10 枚

プロショップのデモカーにはさまざまなオーディオ的な見どころが備えられている。今回は奈良県のブリーズが用意するプジョー『208』をチェックすると、内装を一切変更せず高音質化するインストールのアイデアなど純正派のユーザーにも受け入れられる内容となっていた。

【画像全10枚】

◆純正内装を大きく変更しないインストールで
不自然な低音再生の純正サウンドを高音質化する

ショップのデモカーにはユーザーが持っている疑問や不満に対する解決策が提案されている場合が多い。今回紹介するブリーズのデモカーであるプジョー208もそんなテーマに沿って作られたクルマだ。

サウンド面での入り口となったのは純正オーディオの音の不満を解消すること。ショップの分析では低音をあえてブーミーにしたようなブンブン鳴る純正サウンドが納得いかなかった。同車種以外でも同じような不満を感じているオーナーも多いだろう。一方でインストール面はあくまでも純正内装を崩したくない。その2つのテーマを両立させるために実施されたのがこちらの取り付けスタイルだ。サウンド面ではオーディオプレイヤーを純正オーディオからスマホ~DSPという独立した音楽再生システムを構築して解決。

取り付け面ではスピーカーの純正取り付け位置はそのままで、アルミバッフルを使うなどして同ショップならではのレベルの高いインストールを実施、さらにトランクルームにはスペアタイヤの内側のデッドスペースを利用してサブウーファーを設置。インテリアを変更すること無くフロント2ウェイ+サブウーファーのシステムを完成させた。さらにDSPもコンソール内に収めてラゲッジはそのまま利用できるスタイルに仕上げている。

◆スピーカーのポテンシャルを引き出す
アルミバッフルの採用とデッドニング処理

スピーカーは純正位置へのインナー取り付けとしつつ、スピーカーのポテンシャルを引き出して高音質を発揮させる工夫が込められているのもこのデモカーの見どころとなった。取り付けられているスピーカーはESBの5.028(ツイーター)/5.165(ミッドバス)の2ウェイシステムだ。このモデルは一例としてデモカーに取り付けられているものでユーザーは好みのスピーカーを選ぶシステムになっている。その際にブリーズでは店内にデモボードを用意して複数のスピーカーを聴き比べられる環境を整えているので、好みのスピーカーをチョイスすることからシステム構築を開始すると良いだろう。

注目したのはドアの取り付けだ。音楽再生の多くの帯域を担っているのがミッドバスなので、ドアへの取り付けクオリティは非常に大切になる。音の歪みやにごりなどを出さず、スピーカーの持っているポテンシャルを存分に引き出すためには取り付け精度が重要。そこでプジョー208のドア内張りを外して内部を見せてもらうことにした。まずはスピーカーの取り付け部であるバッフル。同ショップでは精度や耐久性の面からアルミバッフルを用いて、スピーカーを確実に固定しているのが特徴。

さらにサービスホールを防振材を使って埋める処理も実施。スピーカーの裏側からドア内部を経由して車内に伝わるサウンドをシャットアウトすることで音の精度を高めている。ドアパネルの不要な振動を抑える効果も合わせて発揮する最小限のデッドニング処理を行っているのもひとつの提案となった。

◆スペース効率に優れたサブウーファーで
低音はもちろん中高音の質感もアップさせる

深みと厚みのあるサウンドを作る上で重要なのがサブウーファー。低音がパンパン、ブンブン鳴るだけのイメージのユーザーもいるだろうが、実は倍音の効果もあって中高音を含めたサウンド全体に好影響を与えるのでシステムアップ時にはサブウーファーの追加は取り入れたいメニューになっているのだ。

しかし多くのユーザーが導入をためらってしまうのがそのサイズ。ラゲッジの一部などがサブウーファーで占領されてしまうのは避けたいと思っているニーズもある。そこでデモカーではサブウーファーをラゲッジフロアの下に設置、しかもスペアタイヤの内側部分を使った円形のユニット(ブラムCRS27A)を用いることでデッドスペースをスマートに活用している。高音質化と取り付けのスマートさを両立させたスタイルとなった。

このようにブリーズのショップデモカーを見ると、さまざまなヒントがあることがわかった。良い音にしたいけど・・・ と一歩を踏み出せなかったユーザーも一度ショップを訪れてデモカーを見て聴いてみると良いだろう。そうすることでシステムアップの方向性が見えてくるはず。次回の後編では純正デッキを回避してDSPを使ったシステムを構築、音源側での高音質化を紹介することとしよう。

土田康弘|ライター
デジタル音声に関わるエンジニアを経験した後に出版社の編集者に転職。バイク雑誌や4WD雑誌の編集部で勤務。独立後はカーオーディオ、クルマ、腕時計、モノ系、インテリア、アウトドア関連などのライティングを手がけ、カーオーディオ雑誌の編集長も請負。現在もカーオーディオをはじめとしたライティング中心に活動中。

《土田康弘》

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