“走る巨大バッテリー”の実力! BEV+家電は悪天候でも快適に遊べる組み合わせだった

“走る巨大バッテリー”の実力! BEV+家電は悪天候でも快適に遊べる組み合わせだった
“走る巨大バッテリー”の実力! BEV+家電は悪天候でも快適に遊べる組み合わせだった全 7 枚

キャンプやアウトドアなら、ガスバーナーや焚き火など「火」があると、調理や暖をとるのに便利だ。ガスバーナーなら片付けも簡単だが焚き火となると片付けは一苦労。それもアウトドアライフの醍醐味。と言われればその通りだが、片付けは簡単に終わった方が良いに違いない。

電化製品での調理や暖をとるというのはアウトドアライフの醍醐味が薄れるという方もいるかもしれないが、ケトルや電子レンジ、テレビやスマホの充電など電気は生活もアウトドアにも欠かせないインフラだ。最近はポータブル電源が大容量なものでも値段が下がってきていることもあり、車に搭載している方も多い。

走行充電の仕組みが作れるなら良いが、そうでない場合はポータブル電源は電池を消費していく一方のため、家で充電という手間が発生する。思いの外重たいポータブル電源を運ぶのも一苦労だ。

そんな時、BEVだとどうなるか。それはずばりBEV自体が移動する電池なため、走りながら充電はもちろんのこと、家での充電や重たいバッテリーの運搬も発生しない。ポータブル電源とは比べものにならないほどの電池容量を持ったBEVなら家電も活用しやすいに違いない。

◆アウトドアライフにもBEVは使い勝手が良い

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筆者が所有するスバル『ソルテラ』ではラゲッジ部にAC100V 1500Wの電源口がある。(内燃機関の車においてもオプション装備などでAC100V 1500Wの電源口を持っている車もある)そのため、仕事で取材に行く際にカメラの電池の充電を行うことも可能だ。数時間の移動があれば、移動時間中にバッテリーの充電が完了できる。

また現代の仕事では必須となるパソコンの充電も同じだ。パソコンも省電力化され長時間バッテリーのみで作動できるが、大量の写真データの編集作業、動画の編集では電源がないとあっという間にバッテリー容量を使い切ってしまうこともあるので、車にAC100Vの電源があると頼もしい限りだ。

もう少し一般的な使い方を考えると、電気ケトルでお湯を沸かして旅先でのコーヒーブレイクなどにも使える。良い景色での1杯は格別なものになるだろう。キャンプやアウトドアライフでどんな電気製品があると便利だろうかと考えてみた結果、筆者は靴乾燥機に行き着いた。

◆“家電”をクルマに持ち込むことで快適性がアップする

アウトドアライフで欲しい電気製品を考えた際に、ドライヤーが欲しいと思った。家電量販店で売られているドライヤーは、パワフルな大風量化と髪を労わる成分の発生させるため、消費電力1200~1500Wが多い。ソルテラを始め多くの車のAC100Vは1200~1500Wが上限となっている。そのためドライヤーの商品によっては上限を超えてしまうこともあるため、車の電源口の上限と使いたい電気製品のW数の確認を必ず行うにしたい。

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そんなこともあり、他に何があると便利だろうかと考えた際に、靴乾燥機だと閃いた。雨が降ったり、川遊びなどで思いもよらず靴が濡れてしまうことはある。靴が浸水して靴下もびっちょり、という状況になるとテンションが下がってしまう。長時間足が濡れて冷えると体調が崩れるだけなく、最悪は低体温症になってしまうことも考えられる。そうならないためにも靴乾燥機があると、靴が乾き快適な生活が送れるようになるはずだ。

購入した靴乾燥機の出力は標準モードで215W、革靴モードで190W、省電力モードでは180Wと全体的に省電力だ。靴乾燥では30・60・120・180分のタイマーがあるため、電源を入れて乾燥を初めてそのまま放置してしまうことが無い。そもそも車の電源を切れば靴乾燥機の電源も切れるため、BEVのバッテリーを使い切ることは起きない。

ちょうど取材で訪れた富士スピードウェイのSUPER GTのテストでは、終日雨が降った。コースサイドに数時間雨に濡れながら撮影をしていると、いくら防水シューズとは言えうっすら靴の中が濡れているような雰囲気になったので、実際に靴乾燥機を使ってみる。

車載バッテリーの詳細な情報を得られないソルテラでは、ディスプレイに表示されているバッテリー残量の%で確認するしかない。車が停止した状態で30分靴乾燥機を使った場合で2%ほど消費したことがわかった。靴は完全乾いたとは言いにくくさらに30分ほど追加して乾燥させてみたところ靴は完全に乾燥した。バッテリー残量は30分で2%、1時間で4%消費した計算だ。

この消費が多いのか少ないのか不明だが、このようなわずかな消費ならば、BEVを巨大な電池と考えれば、走れなくなるほど電気を消費させるには何をすればいいのだろうかと思えたほどだ。2%の消費だと、一般道を走行時にブレーキや坂道での回生ブレーキで割と簡単に回復できる消費量だ。そう考えると気兼ねなく車で電気製品を使っても問題無さそうだと分かる。

震災などで被災した場合の、非常用電源として数日間ならこの車のバッテリーで生活できます、と自動車メーカーがBEVの性能の一つとして謳うのも納得できる。注意したいのは車の電源口は一つだけで合計1500Wというのが大半だということ。タコ足配線などをして多くの家電を使うのは正しい使い方では無いし、1500Wを超えてしまう可能性もある。車の電源口を使う場合は、電気製品の消費電力に注意が必要だ。うまく使いこなせばアウトドアライフだけでなく、普段の生活や仕事でも活用の仕方が生まれてくるはず。

上手な活用方法を見つけ出し、快適なEVライフを楽しんでみてはいかがだろうか。

《雪岡直樹》

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