見た目はワイルド、走りはマイルド?! いいとこ取りのオープンカントリー「R/Tトレイル」が登場…竹岡圭

トーヨータイヤ「OPEN COUNTRY R/T TRAIL」試乗
トーヨータイヤ「OPEN COUNTRY R/T TRAIL」試乗全 66 枚

◆今年で42周年の長い歴史、BAJA 1000で優勝したオプカンはすごいぞ!

トーヨータイヤ「OPEN COUNTRY R/T TRAIL」試乗トーヨータイヤ「OPEN COUNTRY R/T TRAIL」試乗

こんにちは、竹岡圭です! 何を隠そうワタクシ“オプカン女子部 部長”を拝命しております。せめてオプカン(オープンカントリーの略称)を履く女子の中でも、いちばん元気いっぱいに! ということで、三菱『トライトン』にオプカンを履かせて、今年もXCRスプリントカップに参戦しております。そんなこんなで切っても切れないご縁を感じているのが、トーヨータイヤのオフロードタイヤブランド「オープンカントリー」。なんと今年で42周年を迎えました。

トーヨータイヤ「OPEN COUNTRY R/T TRAIL」試乗トーヨータイヤ「OPEN COUNTRY R/T TRAIL」試乗

元々は海外市場がメインのオプカンですが、日本でも80年代に起こったRVブームでカスタマイズニーズが芽生え急成長。技術とデザインを磨いてきたという歴史があります。また、北米のオフロードレースを中心に、モータースポーツの現場でも研鑽を重ね、進化してきました。

モータージャーナリスト 竹岡圭氏(左)/ TEAM JAOS 能戸知徳選手(右)モータージャーナリスト 竹岡圭氏(左)/ TEAM JAOS 能戸知徳選手(右)

今回愛知県・さなげアドベンチャーフィールドにて試乗した「OPEN COUNTRY R/T TRAIL」(オープンカントリー R/T トレイル)は、2022年から北米で販売されていて、すでにアメリカでは大人気。SCORE BAJA1000という有名なデザートレースでも、今回の試乗会で同乗試乗したTEAM JAOSの能戸知徳選手の駆る、レクサス『LX600』にオープンカントリー R/T TRAILを履かせて参戦。昨年の2024大会はクラス優勝を飾るという、素晴らしい成績を収めています。

◆オプカンは全部で10種類、R/Tトレイルはアグレッシブな見た目に反して静粛性にも配慮

トーヨータイヤ「OPEN COUNTRY R/T TRAIL」試乗トーヨータイヤ「OPEN COUNTRY R/T TRAIL」試乗

実はオープンカントリーシリーズにはたくさんあり、現在10種類販売されています。簡単に分類すると、最もオフロード寄りが泥濘用のマッドテレーンタイヤに分類される「M/T」。その反対のオンロード寄りが全天候型のオールテレーンタイヤに分類される「A/T」。その中間のオフロード性能とオンロード性能を両立したタイヤが、ラギットテレーンタイヤという新ジャンルに分類される「R/T」となります。

トーヨータイヤ「OPEN COUNTRY R/T TRAIL」試乗トーヨータイヤ「OPEN COUNTRY R/T TRAIL」試乗

A/Tよりもさらにオンロード寄りになると、都市型SUV向けに開発されたアーバンテレーンタイヤに分類される「U/T」。さらにボディサイズの小さなクルマを含め、幅広い車種に対応、静粛性と転がり抵抗低減を兼ね備えたハイウェイテレーンに分類される「H/T」がラインナップしています。

トーヨータイヤ「OPEN COUNTRY R/T TRAIL」試乗トーヨータイヤ「OPEN COUNTRY R/T TRAIL」試乗

今回試乗したR/T トレイルは、R/TとA/Tの間に位置しています。デザイン的には、R/Tよりもアグレッシブでゴツゴツ感をアピールしており、M/TとR/Tの中間の見た目といってもよいかもしれません。

トーヨータイヤ「OPEN COUNTRY R/T TRAIL」試乗トーヨータイヤ「OPEN COUNTRY R/T TRAIL」試乗

でも性能的にはA/TとR/Tの間。つまりA/Tの見た目じゃちょっと物足りない、でもA/Tよりもオフロード性能がもっと欲しい。かといってR/Tよりも静粛性は高い方がいい、というワガママなニーズを叶えているんです。全体的にはR/T寄りの仕上がりとなっています。

トーヨータイヤ「OPEN COUNTRY R/T TRAIL」試乗トーヨータイヤ「OPEN COUNTRY R/T TRAIL」試乗

ところで「あれ?ホワイトレターじゃないんだ?」と質問したところ、大型SUVやピックアップトラック向けのサイズは、ホワイトレターのニーズはあまりないとか。というわけで、より人気の高いブラックレターが採用されたそうです。

◆オフロード性能も折り紙付き、ロングライフにも配慮した設計に

トーヨータイヤ「OPEN COUNTRY R/T TRAIL」試乗トーヨータイヤ「OPEN COUNTRY R/T TRAIL」試乗

パターンの特徴として「ジグザグワイドグルーブ」という縦方向の溝と「ラテラルジグザグワイドグルーブ」いう横方向の溝が目を惹きますが、他にも「4方向テーパーノッチ」「スタッガードショルダー」など、オフロードでのトラクションを稼ぐための工夫がたくさん施されています。

また、摩耗のことはかなり考慮されていて、ブロック剛性の最適化を目指すことで耐摩耗性や、耐偏摩耗性に寄与する「ラテラルサイプ」、初期摩耗に対応する「ブロックエッジステップ」。また「テラルジグザグワイドグルーブ」は、摩耗後のトラクション性能に寄与する他、ブレーキング性能にもかなり貢献しているパターンとなっているのだとか。

トーヨータイヤ「OPEN COUNTRY R/T TRAIL」試乗トーヨータイヤ「OPEN COUNTRY R/T TRAIL」試乗

さらにショルダー部の「バインディングエッジ」もトラクション方向に力を発揮、「ディープバットレスデザイン」は、見た目の力強さもそうですが、耐パンク性能や耐外傷性能にも力を発揮してくれるそうです。

構造は時代を鑑みてサステナブル性能も考慮されていて「再生ビードワイヤー」が採用されていたりしますし、「高硬度ビードフィラー」で高速安定性や耐久性を、「ジョイントレスキャップフライ」を採用することで、均一性や耐久性を向上させています。

◆素直な乗りやすさが魅力!R/Tトレイルでオンロード&オフロードを試す

モータージャーナリスト 竹岡圭氏モータージャーナリスト 竹岡圭氏

というわけで、まずはオンロードでの比較試乗へ。いろんな意味でイマドキなオフロードタイヤに仕上がっているのかな? と思っていたのですが、実際に私が試乗したフィーリングとしては、R/Tの方がソフト、R/T トレイルの方がカタメというのが、第1印象として伝わってきました。オンロードのロングドライブを考えると、乗り心地的にはR/Tの方が快適かも? なんて思えてしまったんですよね。

OPEN COUNTRY R/T TRAIL(左)R/T(右)OPEN COUNTRY R/T TRAIL(左)R/T(右)

なんたってラリーは、走る距離がとんでもなく長い。レーシングスピードで走るSSだけでなく、一般道や高速道路を走るリエゾン区間も長く、1日に数百kmもオンロードを走りますから、身体への負担がなるべく軽い方が嬉しかったりします。

トーヨータイヤ「OPEN COUNTRY R/T TRAIL」試乗トーヨータイヤ「OPEN COUNTRY R/T TRAIL」試乗

でも一般的に考えると、このタイヤでオンロードを毎日数百kmも走る方は少ないわけです。そうなるとガゼン、R/T トレイルの扱いやすさが際立ってくるんですよね。特にワインディングロードでのコーナリングや、街中での交差点を曲がる時、Uターン等を含め、とにかくクルマの向きが変わりやすいので運転していてラクなんです。

トーヨータイヤ「OPEN COUNTRY R/T TRAIL」試乗トーヨータイヤ「OPEN COUNTRY R/T TRAIL」試乗トーヨータイヤ「OPEN COUNTRY R/T TRAIL」試乗トーヨータイヤ「OPEN COUNTRY R/T TRAIL」試乗

見た目はゴツゴツしているけど「OPEN COUNRTRY A/TIII」と「OPEN COUNRTRY R/T」の中間と言われたのが乗るとよくわかる感じで、オンロードでの扱いやすさはR/T トレイルが上。特に初めてこういったオフロードタイヤや大きなSUVとかピックアップトラックに乗る方は、今までとの差の感じ方が少なく、乗りこなしやすいと思います。

トーヨータイヤ「OPEN COUNTRY R/T TRAIL」試乗トーヨータイヤ「OPEN COUNTRY R/T TRAIL」試乗

今回はオフロードでR/TとR/T トレイルの比較試乗はなかったのですが、この向きの変わりやすさはオフロードでも生かされていて、狭い林道でもラクに通り抜けることができます。ラテラルジグザグワイドグルーブが利いているのかブレーキング性能もかなり良いフィーリングで、止まってほしいところでしっかり止まってくれました。

TEAM JAOS 能戸知徳選手TEAM JAOS 能戸知徳選手トーヨータイヤ「OPEN COUNTRY R/T TRAIL」試乗トーヨータイヤ「OPEN COUNTRY R/T TRAIL」試乗

となると、果たしてどちらを選ぶべきか……。能戸選手の言葉を借りると「BAJA1000ではR/T トレイルの方がよかった」と話していて、「R/Tは空気圧を高めにしてタイヤを張って接地面積を稼ぐ感じに対して、R/T トレイルは特にサイドウォールがしっかりしてるので、タイヤそのものがしっかり立って接地面積を稼げている感じ。だから私は空気圧を下げやすいR/T トレイルを選びました」とのこと。三菱トライトンで日本のラリーコースを走るには果たしてどちらがいいのか? もう少し悩むことにしたいと思います(笑)

モータージャーナリスト 竹岡圭氏モータージャーナリスト 竹岡圭氏

竹岡圭|モータージャーナリスト、タレント
「クルマは楽しくなくっちゃネ!」をモットーに、さまざまな媒体で「喋って・書いて・走って」を実践する女性モータージャーナリスト。テレビのバラエティ番組のMCから、官公庁の委員まで、硬軟幅広く携わっている。モータースポーツでも、耐久レースやラリーレイドなど数々のレースに参戦、現在は全日本ラリー選手権に自らチームを立ち上げチャレンジ中。日本自動車ジャーナリスト協会(A.J.A.J.)副会長。日本カー・オブ・ザ・イヤー選考委員。

《竹岡圭》

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