第二期「洗車場ブーム」到来?…純水・トンネル型・エンタメ性・AI認証決済など進化する洗車場

第二期「洗車場ブーム」到来?…純水・トンネル型・エンタメ性・AI認証決済など進化する洗車場
第二期「洗車場ブーム」到来?…純水・トンネル型・エンタメ性・AI認証決済など進化する洗車場全 10 枚

近年、人気の洗車方法といえば「純水」洗車だろう。

水道水に含まれる不純物(カルシウム・マグネシウム・鉄分など)をろ過した純水を使うことで、カーシャンプーの泡立ちが良くなり、自然乾燥OKで拭き上げ時間が短縮される。拭き上げ時にボディなどにダメージを与えるリスクも軽減される点も利点だろう。

純水洗車が人気を集める以前から、本格的な純水装置を導入してサービス提供するカーディテイリング専門店はあるのだが、コロナ禍をきっかけにDIYの洗車需要が増加した中で、小型の家庭用純水器が登場し、純水洗車がより身近なものになっていったと思われる。

洗車は、手洗いのDIYだけでなく、洗車機を利用するユーザーも多い。

近年、純水洗車を取り入れる洗車場が増えはじめており、第二期・洗車場ブームの到来かと思われる雰囲気もある。第一期・洗車場ブームは1989年ごろと言われ、全国に約3,000ヶ所もの洗車場がオープンして活況を呈した。だが1990年代に入るとバブル経済の崩壊やセルフ式ガソリンスタンドのドライブスルー洗車の広まりなどが影響し、2010年代になると全盛期の1/3以下となる800ヶ所ほどにまで洗車場が減少した。

このまま洗車場は衰退していくと思われたが、ガソリンスタンドの減少と、都市部での洗車スペース不足、環境意識の高まりによる汚水処理の問題などにより、いわゆる“ 洗車難民 ”が急増。このような背景から、現代のニーズに適した新しい洗車場の開業が増えはじめ、SNSに愛車の洗車動画や画像を投稿して盛り上がるユーザー層も少なくない。そこで以下では、最近登場した洗車場をいくつかピックアップする。

ノンブラシ洗浄の純水仕上げで「エンタメ性」も

車のガラスの油膜取り「キイロビン」や、ガラス系コーティング剤「CCウォーターゴールド」を製造販売する株式会社プロスタッフは、2024年12月から直営の洗車場「BEAUTY1 DreamLand 一宮店」を展開。

ブラシを使用せず高圧水流と洗剤で洗浄するノンブラシ洗車機を2台用意し、純水仕上げメニュー(オプション)のほか、ボディ全体を大量のきめ細かい泡で包むナイアガラフォーム施工時はエンタメ性があるライティング演出もある。

洗車時に必要なアイテム(スポンジ、マイクロファイバー、ケミカル剤など)を取り揃えた貸出ブース(会員顧客は無料利用可能)や家族連れでもくつろげる休憩スペースもある。また同社では、2021年4月から洗車とコーティングの専門店「BEAUTY1 名古屋北店」を展開し、高級コーティングやプロテクションフィルム・ラッピングフィルム施工も行なっている。このほか、2022年12月からFC展開として埼玉県戸田市に「Beauty1北戸田店」もある。

「BEAUTY1 DreamLand 一宮店」の洗車機でナイアガラフォーム施工中
「BEAUTY1 DreamLand 一宮店」内の貸出ブース

純水を使える洗車ブース貸出で「家族向け」に訴求

ガラス撥水剤「ガラコ」や、プロ用のガラス系ボディコーティング剤「G’ZOX」ブランドを展開する株式会社ソフト99コーポレーションは、2024年11月から直営の全天候型セルフ洗車場「ALAUDAY 東大阪店」をオープンしている。

“ 家族に支持される・家族とともに楽しむ ”ことを提供する洗車場として、屋根付き個室タイプの洗車ブース(6ブース)と待機用スペース3台分を設け、30分1,650円でブースを貸し出す。純水での洗車が可能で、リンサークリーナーや車内清掃用掃除機、電動ブロワー、タイヤ空気入れの貸出も行なっている。温水設備を完備し、冬の寒い時期にも快適に洗車作業が可能。スタッフが常駐しているため、ツールの貸出対応のほか、洗車設備の使い方やトラブル時のサポート体制もある。

「ALAUDAY 東大阪店」は、家族で洗車を楽しむ洗車場として展開
「ALAUDAY 東大阪店」のWebサイトで設備を確認できる

純水&トンネル型で0秒精算、アプリ予約も可能

大手住宅総合メーカー・大和ハウスグループとして、駐車場運営と不動産の賃貸・分譲事業を展開する大和ハウスパーキング株式会社は、2024年9月から直営の洗車場『D-Wash』を展開。2025年4月30日時点で直営6店舗(東京都・大阪府・神奈川県・埼玉県・福岡県)を運営しており、今夏に奈良市内でオープン予定があり、2026年度中に全国で30件の洗車場設置を目指している。

大阪府茨木市に2024年9月13日にオープンした「D-Wash中環南茨木」

幅広い洗車ニーズに応えるために、純水だけでなく、バイク専用洗車ブースと車の手洗いブース、ドライブスルーのトンネル型洗車機(店舗によって異なる)を用意。さらに注目なのはロック板や精算機が不要で、ナンバープレートAI認証システムにより0秒精算を実現するほか、アプリ予約対応も進行中だ(一部店舗未対応)。

「D-Wash中環南茨木」には、トンネル型洗車機を導入
0秒精算が可能な決済システム『Raku-Pポール』を導入

今回ピックアップした洗車場はごく一部であり、全国各地には様々な洗車場が展開されている。洗車は、クルマの見栄えの良さだけでなく、汚れを除去することで車両の不具合を発見できたり、ADAS(先進運転支援システム)機能の誤作動予防にもつながる。一時的なブームではなく、カーオーナーと自動車アフターマーケット事業者、双方にとって魅力的な分野として、時代に即した洗車場が登場することに期待したい。

《カーケアプラス編集部@金武あずみ》

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