自動車ソフトウェア開発の品質と効率をアップする「生成AIテストケースジェネレーター」とは…クエスト・グローバルが「人とくるまのテクノロジー展2025」オンラインで展示

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クエスト・グローバル Automotive部門 ジャパン ジェネラルマネージャーの藤間真樹氏
クエスト・グローバル Automotive部門 ジャパン ジェネラルマネージャーの藤間真樹氏全 7 枚

自動車業界の次の話題・課題は自動運転、SDV(Software Defined Vehicle)だろう。業界構造をも変えようとしているこのトレンドは、次世代自動車業界の可能性を示すとともに、いくつかの課題も投げかけている。そのひとつがソフトウェアシフトへの対応だ。とくに業界のソフトウェア人材不足を改めて露呈させた。

現在、業界はソフトウェアファースト、製造業からモビリティ企業へ、といったスローガンを掲げ、車両開発力の強化、スピードアップ、効率化、自動化に取り組んでいる。しかし、事故や不具合が人命にかかわる自動車は、新技術やトレンドだけで変革できるわけではない。また、100年をかけて構築した高度かつ精緻なサプライチェーンとエコシステムの改革には様々なハードルがある。

無理なシフトアップはできない。必要なのは地に足の着いた取り組みだ。

生成AIでソフトウェアシフトに備えるクエスト・グローバル

クエスト・グローバルは、国内自動車産業のソフトウェアシフトに対して、生成AIを活用したソリューションを展開している。同社はエンジニアリングサービスを提供する企業だが、ソフトウェア開発に特化したシステムエンジニアリングに強い。

その強みを生かしたソリューションのひとつが、「生成AIテストケースジェネレーター」であり、これが自動車業界のソフトウェア生産力のアップ、開発の自動化を支援するという。クエスト・グローバル・ジャパンとして、国内最大級の自動車関連技術展示会「人とくるまのテクノロジー展2025」にオンライン出展し、その魅力をアピールする予定だ(オンライン会期:5月14日~6月4日)。

ソフトウェアテストにおける生成AIソフトウェアテストにおける生成AI

クエスト・グローバル Automotive部門 ジャパン ジェネラルマネージャーの藤間真樹氏は、出展の見どころを以下のように語る。

「クエスト・グローバルはインドに開発拠点を持つエンジニアリングサービスプロバイダーです。インドにはソフトウェア開発、AI開発に携わるエンジニアが数多く存在し、その実績もあります。オフショア開発やリモート開発の拠点として、世界中にエンジニアリングリソースを提供しています。さらに、弊社の強みはAIやソフトウェアの開発力が高いだけでなく、システム全体を俯瞰した設計、開発提案ができることです。

人とくるまのテクノロジー展は、最先端の自動車技術が披露される場です。クエスト・グローバルは、最先端の技術領域でエキスパティーズを持ち、そしてどのようなサービスを提供できるかを多くの方々に知っていただくために参加しています。出展するのは今年で3回目で、これまでもデジタルコックピットや自動運転、SDVの開発技術を提案してきました。2025年は、生成AIを活用したソフトウェア開発の高効率化、高品質化をサポートするソリューションを提案します」

クエスト・グローバル・ジャパンの
「人とくるまのテクノロジー展2025 オンライン」出展ページはこちら

生成AIテストケースジェネレーターとは?

現在、産業界でのAI活用には2種類のアプローチがある。ひとつは製品やサービスにAIを実装し、機能や付加価値の向上を目指すもの。自動車業界で言えば、ADASや自動運転のための画像認識やセンサーデータの解析にAI(機械学習、大規模言語モデルなど)を利用する使い方だ。

もうひとつは、設計・開発段階でのシミュレーションやプログラムのコーディング、設計モデルの生成などにAIをツールとして活用している。

生成AIテストケースジェネレーターは、ソフトウェア開発のデバッグにおけるテストフェーズを自動化するもので、後者に当たる。製品の要求仕様書の内容をAIが分析し、ソフトウェア開発におけるモジュール、コンポーネントの膨大なテストケースをAIによって自動的に生成してくれる。

テストフェーズを自動化する意義

テストケースの自動化、効率化の意義について藤間氏は次のように説明する。

「デジタルコックピットやADASシステム、さらにはSDVといった車両技術トレンドの中で、システムは複雑化するのと同時にシステム間の統合が進み、OEMやシステムサプライヤーにとってはソフトウェア開発の負担は増加の一途をたどっています。

自動車の場合、安全性や信頼性を考えると、ウォーターフォール型の開発手法を崩すことはできません。

複雑系のパワートレインやADASの開発では、モデルベース開発におけるHILSの活用などによって、V字型開発モデルの右バンクで行う検証活動の前倒し、いわゆるシフトレフトが進み、開発の効率はかなり向上しています。

しかし、テストケースの作成はいまだに人力に頼る部分が多いのが現実です。

AIを使えば、正常系、異常系のほかに、想定外の事象(エッジケース)を網羅的テストケースの生成が可能です。また、AI自体の学習によってテストケースの完成度を上げることもできます」

テストケースの重要性は、たとえばADASや自動運転の開発を考えるとわかりやすい。自動運転の制御は、路上で起きうる事象を網羅できることが理想だ。それだけでも人力でパターン化できるものではないが、事故時のメーカー説明責任と責任分界点を明確にするには、ルールベースの処理が欠かせない。

特に重要なのが、事故につながるパターン、めったに起きないがインパクトが大きいエッジケースの処理だ。これらを網羅するには、とにかくケースの数(n数)が必要になる。AIでnを増やすことが可能でも、実際のテストが人力で効率よく検証ができないならば意味がない。

クエスト・グローバルの生成AIテストケースジェネレーターは、人間が読める形式とロボット形式の両方でテストケースを生成するのが特長だ。ロボット形式で自動生成されたテストケースをそのままテスト用のロボットやエミュレーターに適用すれば、テスト自体も自動化が可能だ。車載インフォテイメントシステムのHMIテストでは、クエスト・グローバルが開発したロボットベースのインテリジェントテスト自動化フレームワークを活用すれば、テスト結果やデータを生成AIテストケースジェネレーターにフィードバックさせ、テストケースの精度を向上させることもできる。人間が読める形式で手動でテストケースの追加や修正も可能である。クエスト・グローバルの生成AIテストケースジェネレーターは、プロジェクトの規模に応じて拡張することも可能で、汎用性や拡張性が担保されている。

インフォテインメントシステムテストの自動化ソリューションインフォテインメントシステムテストの自動化ソリューション

テストケース生成と自動テストが目指すもの

テストケース生成にAIツールを活用する考え方は、以前から存在している。それを実装したソリューションもいくつか存在する。クエスト・グローバルがAIテストの唯一のベンダーというわけではない。しかし、同社の強みは、20年以上にわたるエンジニアリングサービスプロバイダーとしての実績だ。これには当然自動車業界の実績も含まれている。

生成AIテストケースジェネレーターは、長年の業界の知見が投入されたソリューションという特長を持つ。しかし、開発工程のひとつでしかないテストの自動化だけで、業界のソフトウェアシフトを加速させ、開発スピードアップにつなげることができるのだろうか。

「テストケースの自動化は、開発業務全体で見れば地味な部分ですが、その重要性は無視できないものです。たしかにテストにAIを使うだけですべてがうまくいくわけではありません。開発プロセス全体を劇的に変える要素というわけでもありません。しかし、依然人手に頼る部分が多いソフトウェアテストを自動化、デジタルによる仮想化(抽象モデル化)ができれば、開発工程全体をサイバーフィジカルシステムとする可能性が見えてきます。我々が、生成AIテストケースジェネレーターで提案したいのは、OEMのソフトウェア開発を段階的に進化させるためのステップとしてもらうことです」(藤間氏)

4段階で進む車両開発の変革

クエスト・グローバルでは、OEMのソフトウェアシフトには4つ段階があると捉えている。第1段階は、個別に作られたECUやハードウェアごとの開発・テストを行うフェーズ。第2段階は、シミュレーションによるSILS、HILSの導入とテストツールによる自動化。ここまではすでに各社が取り組んで実践している。現在は、第2段階までの技術に、AIを組み込んで自動化を加速させようとしている第3段階となる。

次の第4段階では、クラウドを活用した仮想空間テスト環境を広げ、DevOpsなど既存の手法を取り入れながら車両のソフトウェア開発をデジタル化する。もちろん、すべてを仮想空間で済ませることはできない。物理的なテストは欠かせないが、デジタル化で、ソフトウェア開発現場とハードウェアの開発現場を連携させることができる。クエスト・グローバルが目指すのは、このような段階を踏まえてウォーターフォールのV字型開発モデルのシフトレフトをより一層進めていくことだ。

OEMの最先端技術をソフトウェアで支援する高度な技術

冒頭で述べたように自動車業界のように完成されたエコシステムの変革は容易ではない。しかし段階的に変革を積み重ねれば全体の改革につながるはずである。設計プロセスでは、3D CADやシミュレーション活用、モデルベース開発などによって、仮想化、クラウド化、ソフトウェアシフトが進んでいる。

これをデバッグやテストフェーズ、そのフィードバックにまで広げられれば、ハードウェア部品のひとつであったECUのソフトウェアを、車両ハードウェアの設計・開発の両輪としてプロセスの本流に組み込むことができる。これは、SDVや次世代車両が目指すべき開発手法にほかならない。

「実際、このような動きは、既に主要OEMやサプライヤーで起こっており、弊社では支援をさせていただいています。まさに自動車業界の最先端の技術に携わっているとの実感があり、それが弊社で働くエンジニアのモチベーションにもなっています」(藤間氏)

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SDVの時代は、自動車のものづくりを根本から変えるものかもしれない。それゆえ変革は着実に進めていく必要がある。クエスト・グローバルは、約25年にわたるソフトウェア開発の知見および最新手法をもって、自動車業界に適した改革、地に足のついた改革を支援している。その一端を、人とくるまのテクノロジー展2025のオンライン出展サイトでぜひ確認してほしい。

クエスト・グローバル・ジャパンの
「人とくるまのテクノロジー展2025 オンライン」出展ページはこちら

《中尾真二》

テクノロジージャーナリスト・ライター  中尾真二

アスキー(現KADOKAWA)、オライリー・ジャパンの技術書籍の企画・編集を経て独立。現在はWebメディアを中心に取材・執筆活動を展開。インターネットは、商用解放される前の学術ネットワークの時代から利用し、ネットワーク、プログラミング、セキュリティについては企業研修講師もこなす。エレクトロニクス、コンピュータのバックグラウンドを活かし、自動車業界についてもテクノロジーを中心に取材活動を行う。

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