触感評価の革新技術「QUANTITEXTURE」、カトーテックが出展へ…人とくるまのテクノロジー展 2025

「QUANTITEXTURE クオンティテクスチャー」
「QUANTITEXTURE クオンティテクスチャー」全 1 枚

カトーテックは、指触感の「心地よさ」や「違い」を、従来の力学的特性ではなく、感覚の源である機械受容器から評価する新技術を取り入れた試験機「QUANTITEXTURE クオンティテクスチャー」を、5月21日に開幕する「人とくるまのテクノロジー展2025」に出展する。

2025年8月1日より正式に販売を開始する予定だ。

QUANTITEXTUREは、「触感」という主観的で個人差の大きい感覚を、人の感覚に近い指標で評価できる革新的な技術。2021年の製品発表以来、数多くの問い合わせを受け、最終段階でのデータ検証・性能向上を優先し、さらなる研究開発・改良を重ねた結果、今回の正式販売に至った。

従来の「触り心地評価」は、物体や材料が力を受けたときにどのように変形・運動するかを測定する力学特性(引っ張り特性、曲げ特性、摩擦特性など)に基づいていた。しかし、ガラスや樹脂などの硬質素材では、力学的な触り心地評価と実際の官能評価が一致しないケースが多く、産業界からの課題として指摘されてきた。

QUANTITEXTUREはこうした課題に対し、「力の測定」ではなく「人の感じ方そのもの」に着目。人がものに触れた際に反応する指の4つの機械受容器(FA I、FA II、SA I、SA II)の周波数特性を解析することで、より人の感覚に近い評価を実現した。これにより、従来は官能評価との相関を得ることが難しかった硬質素材(ガラス、樹脂、金属など)においても、触感評価が可能になった。

製品の再現性・精度をさらに高めるため、機構面では外的影響を抑える仕組みを導入し、1秒あたり3000点という膨大なデータ取得を実現。センサー面では微細な振動を捉えるため、5g分銅による荷重方式を採用し、高感度検出可能な極薄センサーを開発した。さらにソフトウェアも改良され、複数のしきい値パターンを選択できるようになった。

今回の開発は、2016年より慶應義塾大学の竹村研治郎教授との共同研究に基づいており、「官能評価と物性値が一致しない」という産業界の悩みに応えるべく、長年の実証実験を経て誕生した。

《森脇稔》

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