アステモの軽EV用インホイールモーターやジヤトコの2モーターK12マーチなど、国内サプライヤー技術が熱い!…人とくるまのテクノロジー展2025

アステモが開発中の12インチ インホイールモーター(左)と19インチ インホイールモーター(右)
アステモが開発中の12インチ インホイールモーター(左)と19インチ インホイールモーター(右)全 28 枚

自動車技術会主催の一大イベント「人とくるまのテクノロジー展2025 YOKOAHAMA」が5月21日~23日に開催された。会場となったパシフィコ横浜では、電動化・SDV・AIがキーワードとなり国内外のサプライヤーが関連技術を競っていた。

EVやSDVでは、膨大な設備投資や開発費が必要なことから、巨大OEMによる中央集中型・垂直統合型が強化される方向がある一方、すべてを内製で量産体制を構築できるほど自動車は単純ではない。トヨタでさえ、EVに関しては競争力のある車両開発のためにスバルやスズキ、中国OEMとの協力が必要な状況だ。また、今後の車両開発の要となるソフトウェア開発もまた労働集約型産業の典型例であり、すべてを内製できるソフトウェア企業は強力だが、現実にはそれは理想に近い。

つまるところ、サプライチェーンなしに自動車産業は成り立たない。サプライヤーの革新技術なしにSDVに対応できるのか? そんな声が聞こえてきそうな人とくるまのテクノロジー展で、目についた技術をいくつか紹介する。


軽自動車にも使える12インチインホイールモーター:アステモ

アステモは、電動化分野でインホイールモーターを手掛けている。すでに、乗用車への搭載を想定した19インチ、16インチタイプのダイレクト駆動方式のインホイールモーターを開発しており、実用化・量産化の道を着実に進めている。

今回の展示はインホイールモーターの小型化をさらに進め12インチサイズの試作品を展示していた。試作品なので、モーター部のみでホイールハブやディスクブレーキは装着されていない状態だが、かなりコンパクトになった。このサイズならハブやブレーキの設計も比較的自由にできそうだ。

新しいモーターは、小型車や軽自動車を想定して設計・開発された。サイズ的な制約が多い軽自動車のためには、従来のインホイールモーターよりさらに小さくする必要がある。12インチというサイズは軽自動車を意識してこのサイズとなった。小型化の最大の要因は、ハウジング全体を空冷としたため冷却水の配管を省略できたこと。回転する本体ハウジングに冷却用のフィン加工が施され、走行中の冷却で安定した性能をだせるようになった。

最大出力は13kW。最大トルクは370Nm。これを4輪に取り付ければ最大出力52kWとなり、軽自動車としても十分な出力、トルクを設定できる。とくにギヤやシャフトを用いず軽自動車を4WD化できることで、産業用からレジャーまで幅広い用途、車両モデルの設計が可能になる。タンクターン機能を搭載した軽自動車が現実のものとなるかもしれない。

アステモのインホイールモーター技術

超小型eアクスルでEV化されたK12『マーチ』:ジヤトコ

ジヤトコのブースでは、第3世代e-POWERの5-in-1アクスルが展示されていた。このアクスルは、インバーター、駆動モーター、変速機、発電モーター、エンジンの5つのコンポーネントが一体化されている。

第3世代e-POWERの5in1 eアクスル

《中尾真二》

テクノロジージャーナリスト・ライター  中尾真二

アスキー(現KADOKAWA)、オライリー・ジャパンの技術書籍の企画・編集を経て独立。現在はWebメディアを中心に取材・執筆活動を展開。インターネットは、商用解放される前の学術ネットワークの時代から利用し、ネットワーク、プログラミング、セキュリティについては企業研修講師もこなす。エレクトロニクス、コンピュータのバックグラウンドを活かし、自動車業界についてもテクノロジーを中心に取材活動を行う。

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