中国のEVメーカーのNIO(ニーオ、上海蔚来汽車)は、小型EVセダン『ET5』とワゴンの『ET5T』の改良新型を中国で発売した。
両モデルは500以上の改良点を特徴とし、価格は29万8000元(約600万円)から。バッテリーを別料金でサブスクリプション利用できるバッテリー・アズ・ア・サービス(BaaS)を利用した場合の価格は、22万8000元(約459万円)からとなる。
ET5は2022年9月の発売以来、中国の30万元クラスのプレミアムセダン市場で新たな基準を確立してきた。また、ET5Tは2023年6月に発売され、独自のスタイリッシュなデザインで世界のプレミアムツアラー市場でトップ3に入り、プレミアム電気ツアラー市場ではトップの座を獲得している。

改良新型ET5とET5Tは、NIOのオリジナルデザインDNAを継承し、10年間の技術革新を体現している。500以上のコンポーネントが総合的に改良され、部品の刷新率は45%に達し、ユーザー体験を大幅に向上させている。
改良新型の外観デザインは、NIOの「ピュア、洗練、進歩的、人間中心」というデザインDNAを継承し、さらに進化させている。ボンネットはわずかに高くなり、力強いフィーチャーラインがシャークノーズに滑らかに溶け込み、力強い存在感を放っている。
内装では、15.6インチのAMOLED水平センターディスプレイを中心とした新しいコクーニングデザインを採用。3K超高解像度と100%の広色域を誇るHDR Vividスクリーンは、洗練された超薄型ベゼルを備えた先駆的な丸みを帯びたコーナーデザインを導入している。
シートは全く新しい11層のコンフォート構造を特徴とし、新たに追加された20mmの高弾性フォーム層とNIO独自のNIO AIR複合フォーム層により、クラス最高の座り心地を実現している。

シャシーも包括的に改良され、連続減衰制御(CDC)を標準装備。路面状況に基づいて最大500回/秒でダンパーを能動的に調整し、最適な車両姿勢と走行安定性をリアルタイムで維持する。また、クラウドベースの4Dロードマッピングを活用する4Dスマートサスペンションも標準装備されている。
改良新型ET5とET5TはNIOの第3世代スマートシステム「NT.Cedar S」を搭載し、NIO独自のスマートドライビングチップ「NX9031」とフルドメイン車両オペレーティングシステム「SkyOS」を統合している。アップグレードされた「AQUILA Super Sensing」は、1550nmの超長距離高解像度LiDARと高性能4Dイメージングレーダーを備え、あらゆる天候、全方向の認識を可能にしている。
安全面では、ET5は2023年に最も厳しい新しいユーロNCAPの安全基準を満たした最初のモデルとなり、その年の最高総合評価を獲得した。乗員保護で96%の評価を獲得し、自動車安全性の最前線に位置している。
なお、両モデルの納車は中国で6月上旬から開始される予定だ。