ガソリンはいつまでも高止まり。結局安くならないままで、ハイオクは180円なども当たり前。でも、できるだけクルマを楽しみたい。ならば、チューニングで燃費を良くする手もある。
チューニングは調律とも呼ばれるもので、なにもガソリンをバンバン使って行くだけではない。自分好みに合わせ込むことがチューニングなので、燃費を良くするチューニングというのもアリなのだ。では、どうやって燃費を良くすればいいのか。抵抗を減らすことと、エンジンは効率を良くすることが燃費向上に効果的。意外とパワーアップするチューニングも有効なのである。
燃費アップチューニング1:ECU書き換え
エンジン・コントロール・ユニットの略であるECU。ガソリンの噴射量や点火時期、スロットル開度などさまざまな要素を制御しているコンピュータ。その内部データを書き換えることでパワーアップさせようというのがECU書き換えチューンの狙いであるが、実は燃費が良くなることも多い。
エンジンパワーの封印を解き放つことで本来エンジンが持っているパワーを引き出すのがその狙い。エンジンの実力以上のパワーもトルクも出ない。しっかりと本来の力を発揮させると、ノーマル時に比べてアクセルを踏む量が少なくて済む。少ないアクセル開度で加速させることで燃費を良くすることができる。
しかし、パワーが出たからと言ってバンバンアクセルを踏んでいたら燃費がもちろん悪化する。解き放たれたパワーを活かしてガソリンを節約して走るのだ。
燃費アップチューニング2:タービン交換
これは1とも関連するが、ターボ車で意外とあるのがノーマルよりも容量の大きなボルトオンタービンにしたら燃費が良くなることがある。
近年増えているのがダウンサイジングターボエンジン。小排気量エンジンをターボで過給することで全域でパワーを引き出す。このタービンをやや大きなものにするボルトオンタービンが発売されている。これを装着すると燃費が良くなることがある。
その理由は純正タービンはごくごく小さいので、高速巡航時などわずかな加速でも素早く過給してパワーを引き出してくれる。それによって意外とガソリンを使っている。これをボルトオンタービンにすると過給が始まる回転数が数百回転上がることが多い。そうなるとちょうど巡航時にもう数km/h速度を上げようというときに過給しない。タービン交換と同時に必須のECU書き換えチューンによってもともとのエンジンパワーが高まっているので、その領域で加速し、タービンが正圧になることがない。それによってガソリンの噴射が抑えられるので燃費が良くなるのである。ZC33Sスズキ『スイフトスポーツ』で高速巡航すると筆者計測でボルトオンタービンの方が10~15%ほど燃費が良くなった。
燃費アップチューニング3:アライメント調整
タイヤの向きを調整するアライメント調整。キャンバー角を付けてコーナリング性能を高めたり、トー角を調整してハンドリングを変えたりする。燃費を重視するならできるだけ抵抗の少ないアライメントにするべき。キャンバー角を付けるとタイヤは倒れている側に転がろうとするので抵抗が生まれる。そこでトー角をアウトにするとその抵抗を打ち消すことができる。
基本的にはキャンバー角は立てて、トー角もゼロに近づけたほうが良い。この調整によってクルマを押したときの軽さが変わるほど抵抗が変わる。そうなると燃費にも大きな影響を及ぼす。
燃費アップチューニング4:タイヤ交換
やはりスポーツタイヤはグリップが高い分だけ燃費には悪影響がある。エコタイヤやプレミアムタイヤは転がり抵抗が少なく燃費も良くなりやすい。転がり抵抗はその規格があるので、それを確認したうえで選ぶようにするといいだろう。
もちろん、空気圧はこまめに確認して規定値を守ることも大切。ある程度空気圧を高めれば抵抗も減るが、そこはハンドリングとのバランスもあるので一概に高くすればいいとは言えない。まずはしっかりと既定値に合わせてもらいたい。
燃費アップチューニング5:軽量化
軽さはやはり何事にも効く。とはいえ、デメリットなく簡単にできる軽量化というとホイールを軽くすることくらい。高性能なアルミホイールにすることで転がり出しの抵抗を減らすことは燃費アップに効果的。あとはチューニングではないが無駄な荷物を下ろすのも大切な要素。そういった積み重ねで確実に燃費アップを実現できる。