イードは6月6日、バリュートープが実施した第三者割当増資を、独立系ベンチャーキャピタルi-nest capitalとともに引き受け、資本業務提携契約を締結した。 バリュートープは24時間無人貸出のレンタカーサービス「オールタイムレンタカー」を運営する。
オールタイムレンタカーにおいて24時間無人貸出の“鍵”となっているのが「バーチャルキー」だ。バーチャルキーは、イードがジゴワッツとともにビジネス開発を行なっている後付型自動車用スマートロック。バリュートープはイードとともに、バーチャルキーの特性を生かした効率の良いレンタカーサービス運用のノウハウを作り上げている。
イードでは引き続き、バーチャルキーのサービスを、多方面のレンタカー事業者、カーシェア事業者などモビリティサービス事業者に提供してゆく方針だ。そしてモビリティ事業者の共通課題を解決してゆくDXソリューションとして発展させるという。
バリュートープとの協業では、オールタイムレンタカー運営からのフィードバックを取り入れつつ、バーチャルキーなどレンタカーのDXソリューションの付加価値創出とを相互に作用させる。そして次世代レンタカーサービスの雛形をつくり、都市住民のモビリティサービスや人手不足、インバウンド対応など地方の課題解決に貢献してゆく。
バリュートープが提供するオールタイムレンタカーは、カーシェアの利便性とレンタカーの低価格料金体系を融合した、24時間無人貸出型のレンタカーサービスだ。スマートフォン専用アプリとバーチャルキー技術を使い、予約から車両の開錠・施錠、返却、決済まで非対面で完結する。東京都心部(渋谷、恵比寿、新宿、五反田など)の駅前ステーションで24時間利用可能だ。手軽に車を借りられるため、若年層やビジネスユーザーを中心に支持されている。
レンタカーの台数は、コロナ禍で一時的な減少はあったものの2022年から急回復しており、2024年にはコロナ禍前ピーク(2020年)の約92万台から約2割増の約109万5000台に達した(全国レンタカー協会調べ)。市場規模も2030年には1兆円を越えるという調査結果もある(矢野経済研究所『2023年版レンタカー&カーシェアリング市場の現状と展望』)。
バリュートープの佐久間晶夫代表取締役は「こんどの提携は、地方を含む幅広いエリアで24時間レンタカーを実現する大きな一歩。イードのテクノロジーを取り込み、移動をもっと自由に、もっと身近に感じられるよう、サービスを磨いていく。デジタル技術を積極的に取り入れた効率的なオペレーションと、カスタマーサクセスの視点に立った現場改善を強化し、レンタカーを超えた新しい社会インフラとしてのサービスモデルを築いていく」とコメント。
またイードの宮川洋代表取締役は「バーチャルキーによる“鍵のデジタル化”とバリュートープの運用ノウハウとの掛け合わせで、レンタカービジネスをアップデートできる。成長するレンタカー市場で、従来にない発想を取り入れた最先端の事例づくりとスケールアップに期待する」と述べている。