「ペダリング力8倍」の最大130Nm! ヴァレオがeバイク向け自動変速機付きドライブユニット発表

電動アシスト自転車向けの新技術「ヴァレオCyclee」
電動アシスト自転車向けの新技術「ヴァレオCyclee」全 2 枚

ヴァレオは、電動アシスト自転車向けの新技術「ヴァレオCyclee」システムを、6月25日から29日にドイツ・フランクフルトで開催される「ユーロバイク2025」で初公開する。

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ヴァレオCycleeシステムは、48Vドライブユニットに電動モーターとフランスのエフィギア社と共同開発した7速自動変速機を統合した独自のアシストシステムだ。このコンパクトで堅牢なシステムは、市場最高の130Nmのトルクを発揮し、ペダリング力を8倍に増幅する。

世界初となる電動自転車向け自動変速機は、100ミリセコンド以下の超高速ギアチェンジを実現し、ユーザーの走行スタイルに適応する。システムは静音性にも優れ、厳しい条件下でも音響的な快適性を確保する。

バッテリーは48Vリチウムイオン電池で、フレーム内蔵型、外付け型、荷台取り付け型など複数の形式を用意。容量は487Whから1254Whまで対応し、シティバイクからカーゴバイクまで幅広い用途に対応する。

システムには歩行アシスト機能、回生ブレーキ、坂道発進や追い越し時の「ブースト」モード、クランクセット一体型の機械式盗難防止装置などの先進機能を搭載している。

ヒューマンマシンインターフェース(HMI)は最大限の人間工学と簡素性を重視して設計され、スマートドッキングステーション、取り外し可能な2インチカラータッチスクリーン、ハンドルバー上の直感的なリモコンを特徴とする。環境負荷軽減を考慮し、最大30%のリサイクルプラスチックを使用している。

ヴァレオはフランスのスタートアップ企業ベルコと提携し、「Velco Suite」というソフトウェアスイートを提供する。これは製造業者向けの組み立て支援アプリ「Assembly Assist」、技術者向けの診断サービス「Diagnostic Service」、サイクリスト向けのモバイルアプリ「Rider」の3つのアプリケーションで構成される。

ヴァレオCycleeシステムは都市部、トレッキング、カーゴバイクに最適で、自転車とライダーを含めて最大315kgまで運搬可能。14%を超える坂道や後進時でも対応できる。ウルティマ、アトリエ・ヘリテージバイク、ラディオール、FUELL、ガリアン・サイクルズ、ウカバイクス、カバレリーなど多くの自転車ブランドがすでにこのシステムを採用している。

循環経済の観点から、ヴァレオは電動自転車のモーターとバッテリーの再製造サービスも展開している。2024年にスモベンゴ社と提携して電動自転車モーターの初の再製造サービスを開始し、パリの8000台を超える電動ヴェリブがこの取り組みの恩恵を受けている。ヌヴェールの循環電子機器研究所では毎月500個以上のバッテリーが修理され、90%以上の材料回収率を誇っている。

《森脇稔》

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