名称が『ZIZAI』に決定、インタラクティブ操作の多機能鉄道重機

ZIZAI(多機能鉄道重機)
ZIZAI(多機能鉄道重機)全 12 枚

西日本旅客鉄道(JR西日本)、人機一体、日本信号、東洋車輌の4社は6月30日、仮称だった多機能鉄道重機の製品名称が『ZIZAI』(読み:じざい)に決定した、と発表した。今後、日本信号が販売する製品の名称として採用する。


●人と機械がインタラクティブに作用

多機能鉄道重機改めZIZAIは、鉄道設備メンテナンスにおける高所重作業を解消し、生産性と安全性の向上を図ることを目的とした重機。2024年7月にJR西日本に導入された。ブーム先端に人型重機が搭載されており、人は安全な場所に設置された操縦席から人型重機を遠隔操作することで、自身が危険な高所に登ることなく高所重作業を行なえる。

ZIZAIの名称は、人と機械がインタラクティブに作用し、高所や危険な場所でも自在に作業を行う革新的な機能性を表現している。名称は2025年1月27日から2月28日にかけて公募され、応募された383件の中から多機能鉄道重機(仮称)のコンセプトにふさわしく、呼びやすい名称を選考した。選考は多機能鉄道重機の開発・生産に関わった日本信号、人機一体、東洋車輌、JR西日本の4社で実施した。

ZIZAIは、人機一体のロボット工学技術が搭載された初めての製品として、多機能鉄道重機の仮称で、2024年7月にJR西日本の営業線での鉄道設備メンテナンスに導入された。架線支持物の塗装、支障樹木伐採に使用されている。

●ブーム先端に人型重機

ZIZAIの構成は、大きく分けて、人型重機(ロボット)、ブーム、操縦室、鉄道工事用車両の部分からなる。人型重機(ロボット)は人に代わって重作業を行なう部分、ブームは人型重機の広範囲移動を担う部分、操縦室は人型重機とブームの操縦装置を装備し、これらの装置を搭載する鉄道工事用車両は道路と線路の両方を走行可能だ。

ZIZAIの特徴は、人機一体独自のロボット工学技術により、直感的な操作が可能であること。VRゴーグルを通してロボット目線での作業が可能。そして塗装や伐採など、多様な作業に特化したツールを装備でき、遠隔操作で重量物(最大40kg)の把持や高所作業(12m)が可能だ。

導入効果は、高所作業の省人化による生産性の向上や、高所作業の労働災害(墜落・感電)リスクの低減による、安全性の向上が挙げられる。そして、性別や年齢によらず現場の高所作業に従事可能となることから、多様な人材の就業環境の創出にもつながる。


《高木啓》

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