アウトドアギアからアウトドアで活躍するクルマ&パーツまで、幅広い展示を集めた「東京アウトドアショー2025」が千葉市の幕張メッセで6月27日から29日まで開催された。そこで自動車メーカーやパーツメーカーも数多く出展したので、編集部注目の4ブースを紹介する。
◆VW初のフル電動ミニバン『ID. Buzz』がイベントに初登場【VW】

会場でも大きな関心を集めたのが、フォルクスワーゲン初の新型フル電動ミニバンである『ID. Buzz』の展示だ。イベント前週に発表され自社での発表イベントには登場しているが、この手の一般イベントに展示は初となり、より幅広いユーザーにアピールする場となった。


出展されたのはID. Buzz Pro Long Wheelbase Luxury packageとID. Buzz Proの2台。なんと言ってもそのスタイリングやカラーリングが圧倒的な存在感を放っている。往年の名車であるタイプ2を思わせる丸みを帯びたデザインやVWのエンブレム、さらにはツートーンカラーなどが従来のミニバンの枠を越えたオンリーワンの存在になっている。

街中を走るID. Buzzは常に注目を集める存在になり見るだけでワクワクする感覚が味わえる、所有欲をくすぐるモデルだ。一方で派手なカラーリングはどうも……、というユーザーにはシルバーやブラックなどのモノトーンモデルも用意されているのでご安心を。


展示された車両は2列目シートにキャプテンシートを備えた6人乗りと、同じく2列目シートにベンチシートを備えた7人乗りを用意、使い勝手に合わせたシートアレンジのセレクトも可能だ。また3列目シートは後方にあるレバーを引くだけでワンタッチ脱着でき簡単に荷室を拡大できるのも魅力だ。アウトドアシーンで活躍する姿が今から想像できるEVミニバンとなった。(隠れID. Buzz探しもぜひチャレンジしてみてほしい)

◆普通免許でトラックも運転できる! 新しい可能性の提案【いすゞ】

いすゞブースには2台のトラックと新作のキャンピングカーを展示した。コンセプトはトラック=働くクルマのイメージから脱却して新しい可能性を引き出す遊び心あるクルマ作りを提案した。ベースとなっている『ELFmio』(エルフミオ)は普通免許・AT限定(2017年の免許制度改正)で乗れる、車両総重量3.5t未満のトラック。普通免許を持つドライバーなら、誰もが運転できる敷居の低いトラックなのが魅力だ。


そんなエルフミオの中でもキャビン後方にスペースを備えたスペースキャブを用いた、パーツメーカーのハードカーゴによるキャリアやガード類などのアイテムを投入、さらにベッド面にはチッピング塗装を施すことで、大量のレジャーギアを積み込んで遊びに出かけるおしゃれなレジャービークルに仕立て上げ、トラックを遊びクルマに使うという新発想が込められた。


一方、キャンピングカーに特装された『Travio』も展示、こちらはリアエントランスで後方にキッチンスペース、中程にリビングスペース、さらにバンクヘッド部分には広大なベッドスペースを備える。普通免許で運転できるサイズのキャンピングカーでありながら、室内サイズや使い勝手の良さを最大限取り入れたモデルとした。

また、3台ともに足元にはトーヨータイヤのトラック用タイヤを装着。小型トラック・バス用オールウェザー(オールシーズン)タイヤである「DELVEX M634」がマッチングされ、ドライからスノー路面まで対応できるタイヤを装着することで天候下を選ばず安心してドライブできる想定。車両コンセプトにピタリとマッチしていると感じられた。
◆ランクルは永遠なり! 充実のヘリテージパーツ【トヨタGAZOOレーシング】

会場を歩いているとオールドファンには懐かしく、若いユーザーには目新しいクルマの展示が目に飛び込んできた。トヨタGAZOOレーシングがA&Fとコラボで出展したブースに、トヨタ『ランドクルーザー』の往年の名車である40系と60系が展示されていたのだ。話をうかがってみると同社が手がけているGRヘリテージパーツの対象車種であるランクル40、60を展示しているとのこと。


GRヘリテージパーツとは旧車向けのパーツの再生産・販売を行うプロジェクトのこと。純正パーツの供給が終了して、車両の維持に苦慮していたユーザーに朗報となる取り組みなのだ。ランクルでは40系、60系に加え、70系、80系をすでにラインアップをはじめている。

GRヘリテージパーツで用意するのは走る、曲がる、止まる、車検対応で必要不可欠なアイテムが中心。40系のパーツがズラリと展示されたコーナーを見るとブレーキホースやバルブ、キャリパーやウインドウのゴムパッキン(現役当時の工場が当時の金型を使って生産)、ランプ類やミラーなどがズラリと並んだ。また断線すると致命傷になるハーネス類の再生産、加えて配線図や修理書が紙で再販される。ランクル40で印象的だったのはラジエターグリルの網(錆びて朽ちてしまうことが多かった部品)の生産も検討中とのこと。往年の名車を長く乗り続ける同社のサポート体制はユーザーにはありがたい。
◆出展初のメーカーでコラボ!【L.L.Beanxコンチネンタルタイヤ・ジャパン】

L.L.Beanとのコラボブースを展開したのがタイヤメーカーのコンチネンタルタイヤ・ジャパン。同社とも初出展ということで今回コラボする運びになったとのこと。ブースでひときわ目に付いたのはL.L.Beanのブーツを模したブーツモービル。足もとにはしっかりとコンチネンタルタイヤのバン用タイヤがセットされていた。

展示で注目となったのは3本のSUV向けのタイヤラインアップだ。中でも新作となる「Ultra Contact UX7」はウエットブレーキやハンドリングに大きな長所を備えた都会派ユーザーに最適なSUVタイヤとなった。週末にはアウトドアフィールドに出かけるユーザーが、普段の快適性も兼ね備えたタイヤを求める場合にジャストフィットするのがUX7だ。

またもっとオンロード寄りのUX7に対してオフ性能を高めた「Conti Cross Contact UHP」、さらにオフでのトラクション性能を高めた「Conti Cross Contact LX Sport」と、走りのシーンに合わせて選べる3モデルをSUV向けとしてラインアップしたのに注目だ。
アウトドアで使えるクルマやパーツが登場した東京アウトドアショー2025、アウトドアフィールドで活躍するさまざまな機能性を備えたクルマやパーツを用意すれば、アウトドアレジャーはますます充実したものになるはず。趣味に合わせたクルマ&装備を揃えよう。