学生時代から音楽好き・オーディオ好きだった稲葉さん。トヨタ『アクア』に乗り換えた際にオーディオのシステムアップを計画し、北海道のAUDIO.VISUAL.SECURITY FISTでシステムの相談を開始。パイオニア好きのオーナーがこだわりのシステムデザインを作り上げた。
◆パイオニア推しのオーナーが選んだ
カロッツェリアX、往年の名パワーアンプ


アクアに乗り換えた際に、純正オーディオの音に不満を感じた稲葉さんが、そこでプロショップでオーディオのシステムアップを開始した。そもそも稲葉さんのオーディオ歴は学生時代にまで遡る、良い音で音楽を聴きたいという思いは当時からあり、カーオーディオはもちろんホームオーディオにもこだわって高音質を追求してきた。
そんな音楽好き・オーディオ好きの稲葉さんは、FISTで愛車のオーディオのシステムを組む際にこだわりがあった。それがパイオニアへの強い信頼感だった。
「30歳の頃に行っていたショップでパイオニアのカーコンポを紹介されて聴いたときに、煌びやかな音に魅了されたんです。それからずっとパイオニア推しなんです。今回もパイオニアのユニットを選んだのはその思いがずっと続いているからです」
アクアのシステムアップでショップと相談し、まずはサイバーナビを導入し、当初はサイバーナビの内蔵アンプでスピーカーを駆動していたが、システムアップを経て現在のシステムへと進化した。パワーアンプに選んだのはカロッツェリアXのRS-A99X、パイオニア推しのオーナーにとっては最上級のアンプセレクトとなった。大型のパワーアンプだが、アクアのシート下を巧みに利用してギリギリのスペースに収めているのも見どころだ。
◆サブウーファー用にもカロッツェリアXの
名パワーアンプを投入してシステムを完成させる



助手席下にも同じくカロッツェリアXの2チャンネルパワーアンプであるRS-A09Xをインストールしている。こちらはフロントスピーカーにRSシリーズを投入したのに合わせて、サブウーファーにも同シリーズのモデルのTS-W1000RSを取り入れた。パイオニアのハイエンドサブウーファーをハイエンドパワーアンプで駆動する、ブランド最高峰のユニットを使ったシステムを構築することにオーナーもこだわった結果だった。
すでに製造を終了してしまったカロッツェリアXのパワーアンプ群だが、いずれも今も名機として多くのユーザーに愛されているモデル。パイオニア好きのオーナーが、たどり着いたモデルがカロッツェリアXのパワーアンプ群だったのも理解できるだろう。
「RS-A99Xを導入する際に“大型のパワーアンプが良いな”と感じたのです。 他のアンプでは物足りなく感じたので、サブウーファー用のRS-A09Xも含めてパイオニアで最高峰のパワーアンプをシステムに組み入れることにしたのです」
◆締まりと深みのある低音再生のために
サブウーファーのエンクロージャー作りにこだわる



サブウーファーには先にも紹介した通りTS-W1000RSをチョイスしているが、取材時に稲葉さんがサブウーファーにまつわる20年の時を超えたエピソードを披露してくれた。
「20年ほど前にクルマのディーラーでエンクロージャーを組んでサブウーファーの設置を頼んだことがあったんです。それから20年経って今回フィストにうかがったときにフィスト店長の山内さんが、そのボックスは自分が作ったものだと気づいたんです、あまりの偶然に山内さんもビックリしていました。しかし20年前に作ったエンクロージャーでもひと目見たら自分が作ったものだとわかるんですね。今回アクアのインストールをお願いした山内さんの作だったのは、なんだか不思議な縁を感じています」
アクアに設置されたエンクロージャーはTS-W1000RSの性能をフルに生かすために強固な設計を施した。容量はしっかり推奨サイズをキープ、さらに板厚を通常以上に厚くすることでブレの無い低音を再生することができるようにした。RS-A09Xでドライブすることでオーナーが満足いく締まりと深みのある低音を再生することに成功している。
パイオニア推しのオーナーが、同社の最高峰ユニットを総動員して作り上げたアクアのシステム。次回の後編ではフロントスピーカーにRSシリーズを投入し、フルパイオニアのシステムを完結させた点について紹介していくこととしよう。
土田康弘|ライター
デジタル音声に関わるエンジニアを経験した後に出版社の編集者に転職し、バイク雑誌や4WD雑誌の編集部で勤務。独立後はカーオーディオ、クルマ、腕時計、モノ系、インテリア、アウトドア関連などのライティングを手がけ、カーオーディオ雑誌の編集長も請負っている。現在もカーオーディオをはじめとしたライティングを中心に活動中。