ポルシェ911のレーシングカー「911カップ」、新型が今夏デビューへ…プロトタイプの写真公開

ポルシェ『911カップ』新型のプロトタイプ
ポルシェ『911カップ』新型のプロトタイプ全 12 枚

ポルシェは、『911』ベースの新型レーシングカー『911カップ』を今夏ワールドプレミアする。プロトタイプの写真を公開した。新型911カップは、現行992.2世代の911をベースとしたワンメイクカップレースカーだ。すでに開発段階をほぼ完了しているという。

911カップは2026年シーズン開始から、ポルシェモービル1スーパーカップおよび一部のカレラカップシリーズで使用される予定だ。

1990年以来、ポルシェ911はスポーツカーメーカーのワンメイクカップレーシングシリーズの基盤を提供してきた。ドイツのポルシェカレラカップから始まり、3年後にF1グランプリの一部としてポルシェスーパーカップが加わった。この取り組みは、長い間世界的な成功を収めている。

ポルシェ『911カップ』新型のプロトタイプポルシェ『911カップ』新型のプロトタイプ

現在のシーズンでは、カレラカップ競技が世界12カ国以上で開催されている。日本やアジアからオーストラリアや中東、南北アメリカからヨーロッパまで幅広い地域で展開されている。さらに、『911 GT3カップ』を使用する23のポルシェ公認スプリント・エンデュランスチャレンジとトロフィーも存在する。

これは生産台数にも反映されており、現在までに5381台が製造された911ベースのワンメイクカップカーは、世界で最も多く生産されたレーシングカーの一つとなっている。

カップカーは独シュトゥットガルト・ツッフェンハウゼンの本社工場で911シリーズモデルと並んで生産されている。2021年シーズンにデビューした現行モデルだけでも1130台が生産されている。ポルシェ911 GT3カップ992.1世代の生産には、1台あたり8時間弱を要する。

ポルシェ『911カップ』新型のプロトタイプポルシェ『911カップ』新型のプロトタイプ

新しい競技車両の開発作業は、2024年1月にヴァイザッハのポルシェモータースポーツで開始された。前モデル同様、911カップは再び量産車の技術と高水準のモータースポーツ属性を組み合わせ、これまで以上に純血のレーシングカーに変貌させている。

開発では特にフロントエンドの空力性能向上に焦点が当てられ、これは運転性能に良い影響を与える。さらに、安全性と電子機器、ブレーキ、パワートランスミッション、6気筒ボクサーエンジン、車両ハンドリングなどの分野で数多くの改良が施されている。ミシュランが再びタイヤパートナーを務める。

新型911カップの開発では、すべてのテストベンチを含めて、ポルシェモータースポーツはポルシェモービル1スーパーカップで使用されているeFuelだけを使用した。実際のテスト走行は、イタリアのモンツァグランプリサーキット、ブランデンブルクのラウジッツリンク、ヴァイザッハ開発センターで行われている。

《森脇稔》

【注目の記事】[PR]

ピックアップ

教えて!はじめてEV

アクセスランキング

  1. ブレンボが新ブレーキ開発、粒子状物質を削減…寿命も最大2倍に
  2. 噂の「ベイビー・ディフェンダー」は5ドアが有力! 人気に拍車かけるか…最終デザイン予想
  3. ドゥカティ初のミドル専用設計エンジン「V2」が日本上陸! 新型『パニガーレV2』から新章が始まる
  4. レクサス『LC』、ハイブリッド廃止で自然吸気V8のみに 米2026年モデル
  5. スバル『クロストレック』に次世代ハイブリッド追加、米2026年モデル
ランキングをもっと見る

ブックマークランキング

  1. 「AIディファインド」の衝撃、日本の自動車産業は新たな波に飲み込まれるのか…アクセンチュア シニア・マネジャー 藤本雄一郎氏[インタビュー]
  2. リチウムイオン電池の寿命を2倍に、矢崎総業、バインダフリー電極材料を開発
  3. ステランティスの水素事業撤退、シンビオに深刻な影響…フォルヴィアとミシュランが懸念表明
  4. 湘南から走り出した車、フェアレディZやエルグランド…日産車体が量産終了へ
  5. トヨタや京大、全固体フッ化物イオン電池開発…従来比2倍超の容量達成
ランキングをもっと見る