外装、足まわりといったカスタムに力を入れる菅原さんのトヨタ『ノア』、北海道のZEPTでデモカーを聴いたのがきっかけでオーディオにも注力することになる。使い勝手が良くて高音質なシステムを目指して、シンプルだけど機能的なオーディオを組み上げた。
◆ダッシュ上の純正ツイーター位置に50mmフルレンジユニットを取り付ける




ノアをベースに外装&足まわりカスタムを楽しんでいるオーナーの菅原さん、いつも出入りしているZEPTでオーディオのデモカーを聴いたのがきっかけになって「愛車にもオーディオを組みたい」とシステムアップを決意。まずはスピーカー、DSPアンプをそれぞれ好みのモデルを選んで、自分流のサウンドを作り上げていく。
スピーカーに選んだのはブラムのLRF52(50mmフルレンジスピーカー)と165RWF(16.5cmミッドバス)。印象的なのはダッシュ上の純正ツイーター位置にインストールしたLRF52。一般的なツイーターではなく中域から再生するフルレンジスピーカーをダッシュの高い位置に取り付けることで、比較的お手軽に高い位置で音像を定位させることに成功している。取り付けにはアクリル製のバッフルをワンオフして固定の品質も高い。その結果1.1kHzあたりから上の周波数は実用的に鳴っていることから、中域から高域までをワイドレンジで再生しクッキリとしたサウンドが楽しめる仕様になった。
ミッドバスである165RWFはドアの純正位置にインナー取り付けとする。「低域もしっかり鳴ること」がオーナーのリクエストだったことから、こちらも満足のサウンドができ上がった。
◆純正ディスプレイオーディオをプレイヤー利用
使い勝手の良さを考えたシンプルシステムとした



音楽プレイヤーとして用いるのは純正のディスプレイオーディオ。後述するDSPアンプを組み合わせることで手軽にシステムを組むことが優先された。音楽再生にかかわる曲セレクトやボリューム操作などは使い慣れた純正のままなのもオーナーのニーズに応えたものだった。ステアリングリモコンをはじめとした純正機能がそのまま使えることもオーナーにはメリットとなる。
ところで、ハンドルコラム周りを見ると無数のスイッチ類が埋め込み設置されているのが目に入る。実はこれはステアリングリモコンの機能をボタンに置き換えて移設したものだ。内装カスタムに合わせてステアリングを交換したオーナーは、ステアリングリモコンの機能はそのまま使いたいと考えて移設をオーダー。すべての機能をスイッチに割り振るとこうなってしまったとのこと。
◆DSPアンプの存在感は消しつつ高音質化
高音質化の要になるDSP調整には力を入れる



サウンド調整の要となるのがブラムのDSPアンプであるRA704 DSP Pro。DSP機能に加えて4チャンネルパワーアンプを内蔵したコンパクトなモデル。注目なのはその取り付け位置だ。センタークラスターの下部にあるパネルを外し、足もとスペースにわずかなデッドスペースを見つけてユニットを滑り込ませて固定している。普段は純正パネルでカバーされているのでDSPアンプの存在は一切意識することがないのもオーナーの意向の通りの仕上がり。
純正ディスプレイオーディオからブラムのDSPアンプへと伝送された音楽信号は、細かく調整されてブラムの2ウェイスピーカーをコントロール、オーナー好みのサウンドを磨き上げた。操作も純正ディスプレイオーディオで行うのみなので、オーナーはDSPアンプの存在を意識することがないのも使い勝手が良いと感じている。純正のままの使い勝手でありながら高音質化するシステムがこのクルマの美点でもあるだろう。
一方キャビンを見ると大きなラックが組まれ、もうワンセットのお気に入りのホイールが積載されている。イベント会場でホイールを履き替えたりリアゲートを開けてホイールをアピールするなど、足まわりカスタムに特に力を入れるオーナーには重要な内装カスタムとなった。車高調などの足まわりから外装までを思い通りにカスタムしている菅原さんのノア、同時にオーディオも自分流の音やシステムにこだわって快適な音&使い勝手の良いシステムを完成させた。
土田康弘|ライター
デジタル音声に関わるエンジニアを経験した後に出版社の編集者に転職。バイク雑誌や4WD雑誌の編集部で勤務。独立後はカーオーディオ、クルマ、腕時計、モノ系、インテリア、アウトドア関連などのライティングを手がけ、カーオーディオ雑誌の編集長も請負。現在もカーオーディオをはじめとしたライティング中心に活動中。