サンスターグループが、8月1~3日に開催される「2025 FIM世界耐久選手権 コカ・コーラ 鈴鹿8時間耐久ロードレース 第46回大会(鈴鹿8耐)」に参戦するスズキチームを昨年に引き続き支援する。
エクスペリメンタルクラスに参戦する「チームスズキCNチャレンジ(参戦車両:スズキ『GSX-R1000R』)」へ、昨年と同等の環境負荷低減率を保ちつつ、さらにブレーキの効きを高めた新仕様のブレーキディスクとブレーキパッドを供給する。
「チームスズキCNチャレンジ」は、スズキが「カーボンニュートラル(CN)など環境負荷低減への挑戦」をテーマに、鈴鹿8耐での完走を目指して様々な課題を克服しながら、環境性能技術向上につなげていく取り組み。バイオ由来原料を配合したサステナブル燃料をはじめ、環境性能技術により開発されたタイヤ、オイル、カウル、ブレーキなどの部品を投入した二輪車でレースに参戦する。

サンスターは、スズキからの呼びかけに賛同し、昨年よりパートナー企業の1社として、ディスク製造工程での熱処理を廃止するという革新的な技術の導入などにより環境性能と制動性能を両立させたブレーキディスクとブレーキパッドを供給している。
今年は、ブレーキパッドの製造を委託している東海カーボンと企業の垣根を超え、両社の知見を活かした共同開発による改良を行った。昨年の仕様では温度の低い領域でブレーキの効きが弱いところに課題があったが、新仕様ではパッドの成分処方と製法の見直しにより、温度によって変化する摩擦係数の変化を小さくすることに成功している。現在、この開発を通して得た知見を量産化につなげるための様々な検討を行っている。
環境対応レース専用ブレーキディスクの特長として、ブレーキディスクの熱処理工程を廃止することで製造時のCO2排出量を約50%削減を実現。摺動部にはディンプル小孔(くぼみ形状)を採用して、パッドクリーニング効果とクラック耐久性の性能両立を図っている。

環境対応レース専用ブレーキパッドの特長として、ディスクの熱処理工程廃止に伴い、専用ブレーキパッドを開発。ブレーキの効きやコントロール性は従来性能同等を維持しながら、約15%の摩耗量削減(低ダスト化)を実現している。
サンスターは、グループ全体でカーボンニュートラル(CO2排出実質ゼロ)、サーキュラーエコノミー(資源循環型経済)実現への貢献を目指した環境中長期目標を掲げ、製品開発や事業活動を含む全般で環境負荷低減への取り組みを進めている。