ガンマやバンバンも登場、2ストロークで築いたスズキの軌跡

スズキ・パワーフリー(1952年)
スズキ・パワーフリー(1952年)全 7 枚

三樹書房はこのほど、スズキの2ストロークモーターサイクル誕生70周年を記念し、同社の2ストローク車の開発とレース活動の歴史をまとめた書籍『スズキ モーターサイクル史 - 2ストロークマシンの系譜 1952-1985』を刊行した。

本書は、1955年に登場したスズキ初の2ストローク二輪完成車『コレダST1』を皮切りに、『GT750』や『ハスラー』、『RG250ガンマ』といった人気モデルの系譜を紹介。さらに、ロードレース世界選手権(WGP)やモトクロス世界選手権などにおけるスズキの挑戦と成功にも焦点を当て、他ではあまり取り上げられることのなかったレース活動の詳細を伝えている。

1960年には日本メーカーとしてホンダに続き2番目にマン島TTレースへ参戦し、3年目でメーカーズタイトルを獲得。1970年にはモトクロス世界選手権でも栄冠を手にし、以降WGPでは1975年から1982年まで7年連続でメーカーズタイトルを獲得するなど、世界の舞台で確固たる地位を築いた。

また技術面でも、市販車としては世界初となるアルミ角パイプ製のダブルクレードルフレームを1983年のRG250ガンマに採用するなど、独自の開発姿勢を示した。レジャーバイク分野でも、ユニークなスタイルのバンバンシリーズなどを展開し、多様なユーザー層に支持された。

巻末には詳細な車両系統図や諸元表も掲載されており、資料的価値も高い内容となっている。スズキがいかにして「世界と戦う技術」を築き上げたか、その軌跡を知ることができる一冊である。

スズキ GT750(1971年)スズキ GT750(1971年)

スズキ モーターサイクル史
2ストロークマシンの系譜 1952 - 1985
著者:相原俊樹/自動車史料保存委員会
発行:三樹書房
体裁:B5判・上製・212頁(カラー144頁)
定価:4950円(本体価格4500円+消費税10%)

目次
■第1部 鈴木自動車工業の誕生
■第2部 1950年代
■第3部 1960年代前半
■第4部 1960年代後半
■第5部 1970年代
■第6部 一時代の終わり
車両系統図
主要モデル諸元表
スズキ歴史館について

『スズキ モーターサイクル史』『スズキ モーターサイクル史』

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《高木啓》

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