道路に進入する車両の最大幅を制限する規制標識は、もちろん道幅が狭いから設置されるのだが、意外なことに設置例は少ない。この最大幅規制標識が林立しているのが、東京都道428号高円寺砧浄水場線、通称は荒玉水道道路だ。しかも設置理由が道幅ではない?
都道428号は、東京都世田谷区喜多見2丁目にある砧浄水場から、多摩川の水を杉並、中野、板橋、豊島区などに給水するため、1928年に設置された送水管の用地を、のちに道路としたものだ。荒玉水道というのは事業開始当時の事業者の名前で、現在は東京都水道局が運営している。建設当時は畑ばかりで用地取得が簡単だったのか、ほぼ一直線の線形だ。
都道428号の地下には水道管があるのだ。そのため、地上を走る車両の最大幅を制限することにより、重量のある車両の走行を制限しているわけだ。都道428号は多くの区間で車幅制限と同時に、重量制限4.0t、最高速度30km/hの規制がかけられている。最大幅規制は世田谷区喜多見付近で1.7m、成城、砧、千歳台付近で1.8m、杉並区栄福付近で2.0mとなっている。
路面にはポールが立つ場所もあるが、制限幅ギリギリではない。じっさいに最大幅1.7m以上の3ナンバー車が往来している。このことからも、最大幅制限は車両の幅ではなく、車両の大きさ=重さを制限することが主眼だと思われる。沿線には東京都水道局の「総重量4tを超える大型車輌の通行は出来ません」の掲示板も立つ。
狭い道! 制限1.5mの都道11号、実は歴史のある道…東京都狛江市~世田谷区
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