横浜ゴムのスタッドレス第8世代、電動車対応も万全! アイスガード8の全貌

横浜ゴム アイスガードiG80(通称:アイスガード8)
横浜ゴム アイスガードiG80(通称:アイスガード8)全 11 枚

横浜ゴムは第8世代となるスタッドレスタイヤの新製品「アイスガードiG80(通称:アイスガード8)」を発表。9月1日より順次発売を開始する。

◆氷上性能を最大化する新コンセプト「冬テック」

横浜ゴムの代表取締役社長兼COO 清宮眞二氏横浜ゴムの代表取締役社長兼COO 清宮眞二氏

横浜ゴムは従来より一貫して氷上性能を革新的に高めることを追求してきたが、今回から冬用タイヤ新技術コンセプト「冬テック」を採用。アイスガード8は冬テックを採用した第1弾商品となる。冬テックは、「接触の密度(氷とゴムの接触点)」と「接触の面積(路面とタイヤの接触の面積)」の2つの視点において、冬の路面との接触を最大化する技術。冬テックの採用により、これまでの技術では難しかったレベルでの氷上性能の革新を実現し、冬の走行で最も危険な凍結路面での安心・安全なドライブをサポートする。

◆新コンパウンドと“水膜バスター”の効果

横浜ゴム アイスガードiG80(通称:アイスガード8)横浜ゴム アイスガードiG80(通称:アイスガード8)

コンパウンド(トレッド面のゴム)には、新開発の「冬ピタ吸水ゴム」を採用。基盤となる素材を従来タイプから一新し、従来より小型化した天然由来素材「水膜バスター」を高密度に配合し、タイヤが滑る原因となる氷上の水膜を吸水する力を向上させ、氷上での「接触の密度(氷とゴムの接触点)」を従来品のコンパウンドに対し63%増加することで、氷上性能を飛躍的に高めている。またシリカの増量と新素材「オレンジオイルS+」の配合により、低温時でも優れたドライ・ウェットグリップを発揮。約4年間氷上摩擦力の低下を抑制することに成功したという。

横浜ゴム アイスガードiG80(通称:アイスガード8)横浜ゴム アイスガードiG80(通称:アイスガード8)

アイスガード8に採用された各種技術のなかでももっとも注目度が高いのが「水膜バスター」と呼ばれるもの。水膜バスターは天然由来素材であるということ以外、公表はされていないが、発表会後のQ&Aセッションで少なくとも有機質であることは明かされた。水膜バスターを採用したことによって、より微細なレベルでのタイヤと氷上路面との接触点が増加(つまり単位面積当たりの密度がアップ)し、結果として接触面積が増えているという仕組みだ。

◆AI設計のトレッドで接地面積を拡大

横浜ゴム アイスガードiG80(通称:アイスガード8)横浜ゴム アイスガードiG80(通称:アイスガード8)

トレッドのデザインは、横浜ゴムのAI活用フレームワーク「HAICoLab(ハイコラボ)」のAI技術とシミュレーション技術を活用して開発された。冬用タイヤに求められる圧縮抵抗、雪柱せん断力、凝着摩擦、エッジ効果という4つの機能を最適化したプロファイルを抽出。氷上路面と雪上路面との「接触の面積」を追求したデザインとなっている。これにより、氷上路面でのグリップに効く路面とタイヤの実接地面積を従来品比で8%増加させ、ブロック剛性も7%高めた専用トレッドパターンを開発し、氷上性能を大幅に向上。さらに相反する接地面積と溝エッジ量の最大化を両立することで、雪上性能もより高められている。

横浜ゴムの代表取締役社長兼COO 清宮眞二氏と俳優の吉岡里帆さん横浜ゴムの代表取締役社長兼COO 清宮眞二氏と俳優の吉岡里帆さん

アイスガード8は従来品比で氷上制動性能を14%、氷上旋回性能を13%と大幅に向上するとともに、雪上制動性能も4%向上。ドライ・ウェット性能をそれぞれ3%向上し、静粛性もアップ。そのうえで、転がり抵抗と耐摩耗性能は従来品同等レベルを維持しており、冬のさまざまな路面で高い性能を発揮する。アイスガード8はBEV、PHEV、ハイブリッド車、燃料電池車といった電動車にも対応。横浜ゴムではこうした電動車対応タイヤについては、同社の独自マークである「E+(イー・プラス)」を打刻している。

発売サイズは225/45R21 95Q~185/70R14 88Qの全71サイズで、価格はオープンプライス。

《諸星陽一》

諸星陽一

自動車雑誌の編集部員を経て、23歳でフリーランスのジャーナリストとなる。20歳代後半からは、富士フレッシュマンレースなどに7年間参戦。サーキットでは写真撮影も行う、フォトジャーナリストとして活動中。趣味は料理。

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