フォルクスワーゲンは9月7日、IAAモビリティ2025のプレビューイベントにおいて、小型電動SUV『ID. CROSSコンセプト』を世界初公開した。
フォルクスワーゲンは2026年から小型車およびコンパクトセグメントで4つの電気自動車を欧州市場に順次投入する計画。これらのモデルは新しいデザイン言語「ピュアポジティブ」を採用し、MEB+プラットフォームを基盤とする。ID. CROSSコンセプトは、その先駆けとなる電動コンパクトSUVだ。
フォルクスワーゲンブランドのトーマス・シェーファーCEOは、「今回のID. CROSSは、フォルクスワーゲンブランドの最高の姿を形にすることを目指した」と述べ、新デザインや高級車に搭載されていた技術の導入、操作性や品質の向上を強調した。
ID. CROSSコンセプトは全長4161mm、ホイールベース2601mmで、現行『Tクロス』とほぼ同サイズ。21インチの専用アルミホイールとグッドイヤー製の特別タイヤを装着している。
インテリアは広々とした5人乗りで、荷室容量は450リットル、ボンネット下に25リットルの追加収納スペースを備える。内装は温かみのあるベージュ調で、植物モチーフや実際の植物を配したラウンジのような雰囲気を演出。シートは完全に折りたたみ可能で、VWバス風のリクライニングスペースを作り出せる。
操作系は直感的で、デジタルメーター(11インチ)とインフォテインメント用タッチディスプレイ(13インチ)が視線の軸上に配置されている。新型MEB+プラットフォームは、エンジン、バッテリー、ソフトウェアの改良を含み、2024年から新ソフトウェアを搭載し、上位クラスの機能を導入する予定だ。
ID. CROSSコンセプトは前輪駆動で、出力155kW(211PS)の電動モーターを搭載。WLTP基準で最大航続距離は420kmと見込まれている。
フォルクスワーゲンは、技術的にも価格面でも魅力的な電気自動車を欧州市場に投入し、電動化を加速させる方針だ。