トヨタ博物館は10月3日から2026年4月5日、特別展「What’s JDM? 世界が熱中する’80-’90年代の日本車」を開催する。
JDMとは「Japan Domestic Market」の略で日本国内市場を指すが、現在はアメリカやイギリスを中心に日本車をカスタマイズしたり、日本国内専用車を輸入して楽しむ日本車文化を指す。
1980~1990年代、日本の自動車メーカーは世界トップの技術を搭載することに挑戦し、電子制御や高性能エンジンなど革新的な技術を次々と実用化した。これらの技術は現在の自動車開発にも大きな影響を与えている。デザイン面では空力性能や視認性、安全性を考慮した機能美を追求し、シンプルながら個性あるスタイリングが多くのファンを魅了している。しかし当時は欧州車ほどの評価を海外で得られず、技術者たちは悔しい思いをしていた。
数十年を経て、当時の日本車の高い技術力や洗練されたデザイン、信頼性が再評価され、世界中の自動車ファンから注目を集めている。
トヨタ博物館では2025年10月3日から2026年4月5日まで、1980~90年代の日本車約10台を「当時の最新技術」「独自のデザイン」「小さな高性能」の3つのテーマに分けて展示する企画展を開催する。展示車両は同館所蔵のほか、国内自動車メーカー7社と日本自動車博物館の協力で特別に提供される。
展示車両にはダイハツ『シャレード デトマソ』(1984年)、トヨタ『スプリンター トレノ』(1986年)、日産 『スカイライン GT-R』(1989年)、アンフィニ (マツダ)『RX-7』(1991年)、スバル 『インプレッサ WRX STi』(1994年)、三菱『ランサーエボリューション・トミー・マキネン エディション』(2000年)、ホンダ『インテグラ Type-R』(1998年)、ホンダ『シビック Type-R』(1996年)などが含まれる。
また独自のデザインをテーマに日産 『PAO キャンバストップ』(1989年)、『フィガロ』(1991年)を、小さな高性能をテーマにダイハツ『ミラ TR-XX』(1987年)、スズキ『セルボ・モード』(1990年)、ホンダ『ビート』(1991年)、オートザム 『AZ-1』(1993年)、スズキ『カプチーノ』(1995年)を展示する。期間中は展示車両の入れ替えも予定されている。
関連イベントとして、11月29日に1980~1990年代の日本車オーナーミーティング「Classic Car Meeting ~’80-’90年代の日本車~」を開催。また、9月9日から10月26日までクルマ館1階でラリーで活躍したトヨタ『セリカ』TA64型(1985年)や『セリカGT-FOUR』ST165型(1990年)を特別展示する。
さらに11月23日には人気投票で選ばれた3台の走行披露をP1駐車場で実施。12月13日にはクルマの図書室で雑誌やカタログを使った1980~1990年代の日本車の魅力を語り合うイベントも開催される。
この企画展を通じて、日本のクルマが持つ独自の価値と文化としての魅力を多くの人に伝える狙いだ。