1996年に『850』のシリーズ名変更を機にステーションワゴンが『V70』に。このV70にボルボ初の4輪駆動車として1997年に“XC AWD”を設定。その後継車として登場した2代目V70をベースに2000年9月に登場したのが、この『クロスカントリー』だった。
もともと“XC”はクロスカントリーを意味し、実車にもV70 XCのエンブレムが装着されていた。が、さらに大きく“CROSS COUNTRY”のデカールがリアゲートに貼られ、“VOLVO CROSS COUNTRY”と表紙に記された単独のカタログが用意された。写真はこのときのもの。

当時の広報資料には、全高は1560mmと低いが最低地上高は当時にジープ『チェロキー』や『レンジローバー』より高い215mmの記述が。エステートとSUVの中間というのがコンセプトだった。
外観ではフロントまわりから、フェンダーアーチ、ボディ下部を樹脂製パーツでプロテクト。中央に2本のステーを設けたルーフレール、リアクォーターウインドに装着されたボディ色のモールなどが専用。ヘビーデューティオールシーズンの専用タイヤとして、ピレリ・スコーピオンS/Tも装着された。

AWDシステムはビスカスカップリング方式で、通常は駆動力を前:95%/後:5%に配分するというもの。40km/h以下で効き始め80km/hまで効果を発揮するという4輪TRACS(トラクションコントロール)も採用した。
搭載エンジンは5気筒・2434ccのインタークーラー付きターボで、200ps(147kW)/29.1kgm(285Nm)の性能を発揮した。

インテリアの使い勝手と心地よさも、このクロスカントリーの魅力のひとつだった。4色の専用本革シートも用意された。