【保存版】リクライニング/セミバケ/フルバケの違いと選び方! 運転が変わる“正しいドライビングポジション”完全ガイド~カスタムHOW TO~

【保存版】リクライニング/セミバケ/フルバケの違いと選び方! 運転が変わる“正しいドライビングポジション”完全ガイド~カスタムHOW TO~
【保存版】リクライニング/セミバケ/フルバケの違いと選び方! 運転が変わる“正しいドライビングポジション”完全ガイド~カスタムHOW TO~全 1 枚

シートはカラダを預けてホールドする。運転にはハンドル操作やペダル操作、シフト操作があり、カラダをしっかりと支えてくれないと運転しづらい。かといって、あまりタイトなものは快適性が損なわれる。

◆シート選びの基本! 純正と社外シートの違いとドライビングポジション

純正シートはそういったあらゆるバランスを考慮して開発されている。とはいえ、さまざまな体型、体格の人が乗れるように作られていて、裏を返せば全員に完全フィットするわけではない。ならば、自分のカラダにフィットしたシートと、扱いやすい取り付け位置にすることが大切である。シートには大きく分けて3種類があり、それぞれメリットと向いた使い方がある。

◆3種類のスポーツシートの特徴(リクライニング/セミバケ/フルバケ)

1:リクライニングシート

純正シートのアフターパーツメーカー製といった立ち位置のシートがこちら。多くは純正シートよりもややホールド性が高められている。あとは、座面が、乗り心地や座り心地を損なわないように配慮しつつも、薄く作られていることが多い。

これはシート高を下げるため。シートの位置を下げることで目線を下げる。そうすると自然と遠くまで見えるので、高速道路を走ることが多い人や大柄な人にはシート高を下げるのがおすすめ。とはいえ、シート高は30mmも下がるとすごく低く感じるので10~20mmでも十分。

アフターパーツメーカーのシートの場合、シート高を下げられるように設計されていて、そのため座面が薄くなっていたりする。シート高を上げたい場合は取り付け方法でアップさせることはできるが、物理的に厚みがあると下げられないので座面を薄く作るように努力しているのだ。

トヨタ『ハイエース』やトラックなど長時間運転が多い車種では、最近、アフターパーツメーカーのリクライニングシートの採用例が増えている。純正シートと同等かそれよりも下げられるようにシートやシートレールなどに工夫がされているのだ。

2:セミバケットシート

座面も背もたれもサイドサポートが高くなっていて、カラダをホールドしやすいバケット形状になっているが、これはリクライニングできるタイプである。リクライニングできるので使い勝手や快適性はリクライニングシートや純正シートと大差ない。

サーキット走行をするのであれば、セミバケットシートであれば、多くの場合でフルハーネスの肩ベルトを通すためのベルトホールがいているので、6点式フルハーネスの装着が可能。しっかりとフルハーネスでカラダを固定すればサーキットでも走りやすい。

3:フルバケットシート

樹脂製やカーボン製のひとつのシェルでできていて、カラダが包み込まれるように座るのがフルバケットシート。リクライニング機構はなく、取り付け位置で角度調整をする。レースでは、100%このタイプが使われている。

しっかりとしたホールド性の高さと引き換えに劣悪な快適性……、というのは間違った認識。むしろカラダが適度にホールドされ、正しい角度でしか座れないため、腰痛にも良い影響があることが多い。といっても信じてもらえないことも多いが、ときにはレースで数時間座りっぱなしの場合もある。快適なシートでなければ、運転に集中できない。むしろ、高い快適性を備えている。

◆プロショップ取り付けと車検・保安基準のポイント

そして、シートで大切なのが取り付け方。自分で外して自分で付ける人もいるが、意外とノウハウが必要。

プロは各部のクリアランスを調整して、スライドはスムーズにしつつ、できるだけハンドルのセンターにシートが来るように調整している。また、向きも真正面ではなく、わずかに左向きになるクルマなどもあるが、プロショップではそういった調整も行い、できるだけきちんと座れるように取り付けている。

そういった調整やノウハウを見れば、単にネジを締めているだけでなく、取り付け工賃がそれなりにかかることも納得できるだろう。シートを取り付けるボルトもきちんとしたものを使わないと安全性に関わる部分なので、プロにお願いしたい部分である。

最後に、車検については、現在、そのクルマとシートに関する書類を提出する必要がある。数年前までは、同一メーカーのシートとシートレールを使っていれば問題ないと言われていたが、それは過去の話だ。シートメーカーから発行される証明書類が必要となり、それは多くのメーカーがプロショップからの対応のみとなるため、車検時はユーザー車検ではなく、専門のプロに任せるのがおすすめだ。改造申請などは必要なく、シートメーカーの必要書類を一緒に提出する必要があるのだ。

《加茂新》

加茂新

加茂新|チューニングカーライター チューニング雑誌を編集長含め丸15年製作して独立。その間、乗り継いたチューニングカーは、AE86(現在所有)/180SX/S15/SCP10/86前期/86後期/GR86(現在所有)/ZC33S(現在所有)。自分のカラダやフィーリング、使う用途に合わせてチューニングすることで、もっと乗りやすく楽しくなるカーライフの世界を紹介。

+ 続きを読む

【注目の記事】[PR]

ピックアップ

教えて!はじめてEV

アクセスランキング

  1. 「妄想が現実になった」トヨタがAE86のエンジン部品を発売へ…「復刻だけじゃない」その内容に驚きの声
  2. 「TWIN TURBOのロゴ懐かしい!」Z32ファン感涙、レトロ感あふれる新型『フェアレディZ』が話題に
  3. ヤマハの3輪スクーター『トリシティ』が進化! SNSでの注目は「デザイン」と「屋根が付くか」
  4. 衝突試験、1回の費用はおいくら? ホンダ栃木四輪開発センターで見学
  5. レクサス『IS』改良新型、米国はハイブリッドなし..V6ガソリンだけを設定
ランキングをもっと見る

ブックマークランキング

  1. 「AIディファインド」の衝撃、日本の自動車産業は新たな波に飲み込まれるのか…アクセンチュア シニア・マネジャー 藤本雄一郎氏[インタビュー]
  2. EV充電インフラ-停滞する世界と“異常値”を示す日本…富士経済 山田賢司氏[インタビュー]
  3. ステランティスの水素事業撤退、シンビオに深刻な影響…フォルヴィアとミシュランが懸念表明
  4. SUBARUの次世代アイサイト、画像認識技術と最新AI技術融合へ…開発にHPEサーバー導入
  5. 「ハンズオフ」は本当に必要なのか? 高速での手離し運転を実現したホンダ『アコード』を試乗して感じた「意識の変化」
ランキングをもっと見る