日本車メーカーの大半が“主戦場”としている米国向けの自動車輸出が落ち込んでいるという。財務省が発表した8月の貿易統計速報によると、日本から米国に輸出する自動車の輸出額は前年同月比28.4%減の3076億円、輸出台数は同9.5%減の8万6480台。米国向けの輸出総額も5カ月連続のマイナスで、対米貿易黒字は50.5%減の3239億円と2023年1月以来の低水準だったそうだ。
きょうの各紙にも「8月、対米車輸出28.4%減」などと大きく報じているが、このうち読売は経済面のトップ記事に「対米車輸出なお苦境、高関税メーカー負担重く」とのタイトルで「米政府は9月16日から自動車への関税を引き下げたが、トランプ政権発足前の関税率(2.5%)と比べると、15%は6倍の水準で、影響は大きい。メーカーの負担はなお重く、輸出減は続くとの見方が多い」などと取り上げている。
日経は輸出額を台数で割った平均単価にフォーカス。その平均単価をみると8月は355万円となり、前年同月より20.9%(約93万円)も低下。「単価は4カ月連続で前年同月に比べ20%以上下がり、トランプ関税のコストを日本側が吸収する構図が続く」とも伝えている。
こうした中で、日本自動車工業会(自工会)の片山正則会長(いすゞ自動車会長)が、赤沢亮正経済財政・再生相と面会。片山会長は米国の自動車関税が15%に引き下げられたことについて「壊滅的な影響を回避した」と謝意を示した一方で、新たな関税率も「業界への影響は決して小さくない」と述べという。
「決して小さくない」という表現は「大きい」とも読み取れるが、自工会ではきょう(9月18日)午前11時30分から定例記者会見を予定しており、トランプ関税による米国への自動車輸出の減少が部品会社を含めてどこまで影響が広がっているのかも注視したい。
2025年9月18日付
●対米輸出13.8%減、8月車の大幅減響く、関税影響 (読売・2面)
●水素トラック、日野、来月発売 (読売・8面)
●日産、海外デザイン拠点閉鎖、今年度末までに、米国とブラジル (読売・9面)
●下水管300キロに陥没リスク、国交省600キロ調査、腐食や破損発見 (朝日・1面)
●ヤリスなど9.8万台リコール (朝日・25面)
●車関税の影響「小さくない」自工会会長 (毎日・6面)
●万博バスが事故、軽傷で2人搬送(毎日・21面)
●米で就労状況調査、韓国LGエネ、作業員拘束、ホンダとの合弁も対象(日経・15面)