<新連載>[メインユニット最前線]「メインユニット」を換えると、サウンド制御力が上がり音が良くなる!

市販「メインユニット」が搭載されたオーディオカーの一例(製作ショップ:Kサウンド<広島県>)。
市販「メインユニット」が搭載されたオーディオカーの一例(製作ショップ:Kサウンド<広島県>)。全 3 枚

近年は、純正「メインユニット」を外しにくい車種が増えている。しかし交換が可能なら、これを市販品へと換えない手はない。当連載では、そうである理由やお薦めモデルまでを紹介していこうと試みている。当回も、交換することで得られる利点を説明していく。

【画像全3枚】

◆最新の市販「メインユニット」に交換すれば、“使い勝手”が高まる! そして…

さて、前回の記事ではメインユニットを最新の市販品へと交換すると、“使い勝手”が上がることについて説明した。愛用機がBluetoothモジュールとHDMI入力端子と備えていない場合には、それらを装備する機種へと換えればスマホをプレーヤーとして使うときにワイヤレス接続が可能となり、スマホのミラーリングも行える。つまり、車内のエンタメ力がぐっと高まる。

また愛機が購入してから5年以上経つ古いAV一体型ナビの場合には地図データも一新でき、画質も向上し操作レスポンスも速くなる。

そして、音も良くなる。

ただし音を良くするためには、一定以上の能力を備えたモデルを選ばないと得られる利点は限定的にならざるを得ない。では、どのような能力を備えていると良いのかというと……。

気にするべきポイントはズバリ、「サウンドコントロール機能」だ。

◆「クロスオーバー」が搭載されていれば、サブウーファー導入時に緻密な制御が可能に!

具体的には、以下の2つのサウンドコントロール機能を搭載していると、より緻密な音響セッティングを行える。1つは「クロスオーバー」で、もう1つは「タイムアライメント」だ。

これらがどのような機能なのかを説明していこう。まずクロスオーバーとはマルチウェイスピーカーに対して再生範囲の振り分けを行う機能だ。市販メインユニットの上級機には、フロントスピーカーとサブウーファーに対して再生範囲を振り分けられるクロスオーバーが搭載されている。

これが搭載されていると、サブウーファーを追加したときに超低音はサブウーファーだけから聴こえるように設定できる。つまりフロントスピーカーからは超低音は聴こえないようにして、逆にサブウーファーからはドアスピーカーが担当する帯域の音は聴こえてこないように設定できる。結果、音がダブって聴こえなくなるので、サウンドの一体感を出しやすくなる。

◆タイムアライメントが使えると、擬似的にリスニング位置をズラせる!?

続いてはタイムアライメントについて説明していこう。これは、近くにあるスピーカーに対して発音タイミングを遅らせることができる機能だ。

この機能が必要となる理由は以下のとおりだ。クルマの中ではリスニングポジションが左右のどちらかに片寄るため、これは実は、ステレオ再生を楽しもうとするとき不利要因となる。というのもステレオとは、音楽を左右のchに分けて録音し、それを左右のスピーカーで再生することで演奏を立体的に再現しようとするものだ。

しかしリスニングポジションが左右のどちらかに片寄ると、左右のスピーカーから放たれる音のリスナーへの到達タイミングがズレて、ステレオの仕組みがしっかりと機能しなくなる。つまり、演奏のリアル感が損なわれてしまうのだ。

しかしタイムアライメントが使えると、近い方のスピーカーの発音タイミングを遅らせられるので、左右のスピーカーから等距離の場所にいるかのような状況を擬似的に作り出せる。こうして演奏のリアリティがぐっとアップする。

今回は以上だ。次回は、メインユニットのタイプ解説をお贈りする。お楽しみに。

《太田祥三》

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