9月21日から9月30日までの10日間にわたり「秋の全国交通安全運動」が実施されているが、きょうの各紙にも交通事故を防止するための対策や啓蒙・普及などを紹介した記事が目を引く。
このうち、朝日は社会面で「自動車のアクセルとブレーキペダルの踏み間違いによる交通事故が、高齢者を中心に後を絶たない」と指摘。交通事故総合分析センターによると、2024年は2853件発生し、74人が亡くなったが、踏み間違いによる事故の件数自体は減っているものの、過失の割合が大きい第1当事者は、65歳以上の割合が3割強から5割強と増加傾向にあるという。
さらに、事故データで事故が発生しやすい場所を分析すると、高齢者の事故は店舗の駐車場やコインパーキングなど道路以外でも多発し、発進や直進時の割合が高かったとも。加齢により、足の筋力や股関節の柔軟性も低下。周囲を見渡すなどして右に体を向けると、連動して知らぬ間に足がアクセルにかかってしまい、ブレーキと思い込んで踏み込んだら実はアクセル、という可能性もあるという。
専門家も「駐車場では、周囲を見渡し、速度調整しながら空きスペースや車、歩行者、障害物を確認するなど、同時に複数の動作をこなしている。加齢でこの複数の動作をこなす能力が低下する」とのコメントを取り上げている。
では、予防策としては(1)ブレーキの手前にかかとを置く(2)駐車場などではオートマチック車のクリープ現象を活用(3)運動で筋力や柔軟性の低下防止――などを挙げているが、運転の操作には個人差があり、年齢に関係なく「過信は禁物」である。
2025年9月29日付
●万博来場2200万人突破、黒字目安(読売・1面)
●「交通空白」共同輸送拡大、国交省支援、地域の送迎車活用 (読売・2面)
●踏み間違い事故防ぐには、同時に複数の動作、加齢で困難に(朝日・22面)
●交通事故防止へ、反射材利用推進、警視庁、2団体・企業に委嘱 (毎日・17面)