Carstay(カーステイ)株式会社は、2025年度上半期(4~9月)の車中泊スポット予約数が1907件に達し、上半期として過去最多を更新したと発表した。8月に新規オープンした「道の駅美ヶ原高原」(長野県)が全体の成長を牽引し、わずか2か月で全国トップの予約数を記録した。
●快適かつ利便性の高い車中泊拠点としての予約が伸びた
今期は、猛暑や季節観光の需要を背景に、シャワーや温浴設備、電源、バーベキュー設備を備えた清潔かつ快適な車中泊スポットの予約が拡大した。とくに「道の駅美ヶ原高原」は標高2000メートルの涼しさや雲海、上田市街を一望できる景観が人気を集め、2位以下のスポットを3倍以上上回る予約数を記録した。
また、温浴設備を備えた「堺浜楽天温泉 祥福」(大阪府)、「お丸山ホテル」(栃木県)、「極楽湯 青森店」(青森県)、「田舎バックパッカーハウス」(石川県)なども好調で、前年同期比186~198%の増加となった。
●道の駅美ヶ原高原 マナー改善と宿泊区画の分離で注目
「道の駅美ヶ原高原」では、従来の仮眠・休憩目的に加え、宿泊滞在を目的とした利用が増え、マナー面の課題が浮上していた。これを受け、8月1日から10月13日までの繁忙期にCarstayのプラットフォームを活用し、宿泊専用区画と休憩用駐車区画を分離する実証実験を実施。マナー改善とともに人気が高まり、短期間で全国1位の予約数を記録した。
●温浴設備やくつろぎ空間といった付加価値も拡大
猛暑が続いた2025年夏は、「涼しさ」や「快適さ」に加え、温浴設備やくつろぎ空間といった付加価値のあるスポットが支持を集めた。大阪・関西万博会場から車で約30分の「堺浜楽天温泉 祥福」は前年の2倍の予約を記録。読書や仕事もできる「おふろcafé utatane」(埼玉県)や「RAKU SPA Cafe浜松」(静岡県)も人気を伸ばし、「過ごし方の多様性」を重視する利用傾向が鮮明となった。

●奥能登では車中泊スポットの役割が変化
令和6年能登半島地震により宿泊施設が大幅に減少した奥能登では、車中泊スポットが“宿泊拠点”としての新たな役割を担った。4月に再オープンした「田舎バックパッカーハウス」(石川県穴水町)は、前年の2倍近い予約を記録。宿泊と移動を兼ね備えるキャンピングカー利用が増え、観光やバーベキューを通じて復興支援にもつながっている。
宿泊費の高騰やインバウンド増による宿不足もあり、Carstayの利用は国内外で拡大傾向にある。
●新しい宿泊スタイルとして地域経済に貢献
地方では、未活用の空き地や駐車場が増加している。Carstayは、これらを車中泊・テント泊スポットとして登録・貸出可能とするスペースシェア事業を展開。旅行者はアプリやウェブで簡単に検索・予約・決済ができ、地域の新たな観光資源発掘と経済活性化に寄与している。
キャンピングカーは“動くホテル”として滞在日数の延長や観光消費を促進し、地域経済に新たな波及効果をもたらす。Carstayのカーシェアサービスも上半期で過去最高の予約数を記録し、宿泊と移動の融合という新しい旅のスタイルが定着しつつある。