【ヒョンデ コナ・マウナロア 新型試乗】オフロードな味わいが魅力、「このままハワイまで」とは言わないまでも…島崎七生人

ヒョンデ・コナ・マウナロア
ヒョンデ・コナ・マウナロア全 15 枚

もともとモデル名はハワイ島・西海岸エリアの地名に由来したもの。なのでごく自然に(?)同じハワイ島繋がりとして、世界最大の楯状火山のネーミングを冠して登場したのが、この『KONA Mauna Loa(コナ・マウナロア)』。全国限定30台限定という特別仕様車として発表されたクルマだ。

【画像】アウトドアテイストに溢れる「コナ・マウナロア」

実車はなかなかの存在感。試乗中も、路上で偶然標準車のコナに乗ったユーザーとすれ違ったが、目敏く気づき、熱い視線をコチラに向けているのがわかった。現ユーザーなだけに、標準車では日本未設定の“ミラージュグリーン”のボディ色が目に止まったのだろう。

ボディ色とともにこのマウナロアで注目すべきは、前後バンパー、ホイールアーチ、サイドガーニッシュ、ドアミラーカバーに“ワイルド&タフブラック塗装”が施されている点。これは一般にラプター塗装などと呼ばれ、カスタマイズ派にはお馴染みの、ザラッとした表面の仕上がり、質感が特徴の塗装だが(塗装は1台1台手作業で行なっているのだそう!)、オフロードな味わいを出すとともに、傷にも強いという実利面でのメリットももつ。

ほかに外観ではマッドガード、ルーフクロスバー(試乗車はTHULEのキャリアバスケットも装着していた)、ベルトラインのブラックモールや、マットブラックのエンブレムなども独自仕様だ。それと今どきのセンスで選ばれたWeds社製16インチアルミホイールとホワイトレター付きの205/65R16オールテレーンタイヤ(TOYO OPEN COUNTRY A/T EX)が足元を引き締めている。

他方インテリアでは、アイテムとしてはラバー製のラゲッジおよびフロアマットを装備。それとセージグリーン2トーンの本革シートを装備。シートとインパネは、イエローの挿し色がアクセントになっている。

ベースがLoungeの2WD車ということで、150kW/255N・mの総力性能、625kmの一充電走行距離などのスペックはカタログの仕様上は変わらない。そんなマウナロアに乗って感じたのは、BEVであるコナの快適性はいささかも損なわれていない走りが楽しめるということ。

とくにタイヤは見た目のワイルドさとは裏腹に、そこは現代のタイヤらしく、オンロードでの音や振動がまったく気にならず、グリップ、剛性、操舵フィールなど、サマータイヤと乗り比べてもまったく違和感がないくらいだ。

全長4355mm×全幅1825mm×全高1590mm(標準車)と、ボリューミーな見た目に反して実はコンパクトな部類に入るボディサイズだから、サッと乗って、気負わず走らせられるのもこのクルマのいいところだ。一充電走行距離も十分(WLTCモードで625km)で心強く、緊急的に充電をしなければ……といったストレスも感じなくて済む。

ハワイと言わないまでも、こんな楽しげなクルマなのだから、原稿ばっかり書いていないで、たまにはまだ行ったことがないどこか遠くのドッグランへでも連れていけ……という顔をしていたのは我が家の飼い犬のシュン(と家内)なのだった。

■5つ星評価
パッケージング:★★★★★
インテリア/居住性:★★★★★
パワーソース:★★★★★
フットワーク:★★★★★
オススメ度:★★★★★

島崎七生人|AJAJ会員/モータージャーナリスト
1958年・東京生まれ。大学卒業後、編集制作会社に9年余勤務。雑誌・単行本の編集/執筆/撮影を経験後、1991年よりフリーランスとして活動を開始。以来自動車専門誌ほか、ウェブなどで執筆活動を展開、現在に至る。便宜上ジャーナリストを名乗るも、一般ユーザーの視点でクルマと接し、レポートするスタンスをとっている。

《島崎七生人》

島崎七生人

島崎七生人|AJAJ会員/モータージャーナリスト 1958年・東京生まれ。大学卒業後、編集制作会社に9年余勤務。雑誌・単行本の編集/執筆/撮影を経験後、1991年よりフリーランスとして活動を開始。以来自動車専門誌ほか、ウェブなどで執筆活動を展開、現在に至る。便宜上ジャーナリストを名乗るも、一般ユーザーの視点でクルマと接し、レポートするスタンスをとっている。

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