ダイハツ工業、豊田中央研究所、トヨタ自動車九州は10月7日、福岡県宮若市のトヨタ九州・小倉工場において、再生可能エネルギーを活用したマイクログリッドシステムの実証実験を開始したと発表した。
近年、太陽光やバイオマスなどの再生可能エネルギーの有効活用はカーボンニュートラル達成に不可欠。ダイハツは豊田中央研究所と共同で、再エネ発電時のエネルギー損失を抑える高効率の電力変換器「Smart Power Hub(SPH)」を開発し、社内で技術検証を行ってきた。トヨタ九州はグリーン電力による水素製造やリユース蓄電池(KRe:Ba)の実証に取り組みつつ、電力変換の効率化や安定運用の課題を抱えていた。
今回の実証では、SPHを活用し太陽光発電で得た電力を製造ラインに供給し、余剰電力を蓄電池に蓄えるマイクログリッドシステムを構築。従来の交流主体のシステムに比べ直流変換回数を削減し、約45%のエネルギーロス削減を実現。小型電動車部品を応用し、低コストかつコンパクト化も達成した。高速制御技術により再エネ発電量が低下しても瞬時に蓄電池の電力で補い、停電リスクを回避する。