ドイツ・デュッセルドルフで開催された欧州最大級のキャンピングカー展示会「キャラバンサロン2025」において、水や化学薬品を使わず衛生的に排泄物を処理できる次世代トイレ「Clesana(クレサナ)」の最新モデル「X1」が世界初公開された。
【画像】水を使わず自動密閉するトイレ「Clesana X1」
日本ではトイファクトリーが総代理店契約を締結し、販売を開始する予定である。
「X1」は医療分野で培われた衛生技術を凝縮し、モバイルバッテリーで稼働可能な持ち運びやすい設計が特徴だ。キャンピングカーをはじめ、防災、オフグリッド環境や介護といった幅広い用途に対応すると期待されている。
このトイレは水を使わず、独自の熱圧着技術で排泄物を多層式フィルムに包み込む自動フィルムパック式方式を採用。これによりニオイ漏れが極めて少なく衛生的な処理が可能となっている。
さらに「X1」はコンパクトに収納でき、使用時には伸縮して快適な高さを確保できる独自機構を備える。省スペース設計のためあらゆる車両や場所に設置しやすい。また、積み重ねができ、防災備蓄やBCP対策にも適している。
電源は日本市場で普及している18V電動工具用モバイルバッテリーのほか、12V、24Vの車載電源、家庭用100V、240Vにも対応し、いつでもどこでも使用可能だ。
本製品はスイス・ザンクト・ガレン郡のClesana社が開発製造を手がけており、環境保護を重視する欧州で広く普及している。薬剤を使わず環境に配慮した設計が評価されている。
トイファクトリーは2024年に同社と総代理店契約を締結。研究開発センター訪問や今後の開発に向けた情報交換を継続している。日本国内での販売価格や開始時期は順次案内する予定だ。
トイファクトリーは岐阜県可児市に本社を構え、トヨタ『ハイエース』ベースのキャンピングカー製造で国内首位を誇っている。安全性や快適性に重点を置いた独自技術を多数採用し、特殊車両の製造も手がける。2022年にはフィアットプロフェッショナル正規ディーラー契約を結び、新型キャンピングカーを発表している。