ZFは、ベルギーのブリュッセルで開催されたバスワールド2025において、次世代バスおよび長距離バス向けの最新技術を発表した。
世界初公開となったのは、新型「A134アクスル」で、高効率化と20%のトルク容量増加、積載能力の向上を提供する。既存の取付けポイントを維持しながら、回生能力の向上と軽量化によって全体的なエネルギー効率の向上を実現している。
電動性能では、高い認証効率を誇るセントラルドライブ「CeTrax 2 dual」を搭載し、少なくとも94.5%の効率を達成した。また、「エア供給ユニット」には静粛性と効率性に優れた、オイルフリーでスクロール式の電動エアコンプレッサ「e-comp Scroll」を組み合わせ、総保有コスト(TCO)の最適化を支援している。
ZF商用車ソリューションズ事業部のEMEA地域統括シニア・バイスプレジデント、ファビアン・シュレーゲル氏は「バス事業は過去3年間で30%成長し、現在では10億ユーロを超える受注残高を抱えている」と述べ、市場での強固な地位を強調した。
展示会では、従来比で最大20%のトルク容量増加と4%以上のエネルギー消費削減を可能にする「AV134ポータルアクスル」の詳細も発表された。量産開始(SOP)は2027年を計画している。
電動ポータルアクスル「AxTrax 2 LF」は、SORTテストに基づき従来モデルと比較して最大20%のエネルギーを削減し、6x2および6x4構成に対応してOEMでの柔軟な設計が可能となっている。
安全技術では、ADAS(先進運転支援システム)技術の開発を通じて安全性の向上を推進。新たにGSR(一般安全規制)に対応した2つのソリューションを発表した。先進ドライバー注意散漫警報とイベントデータレコーダーで、運転者の動作監視や事故関連の車両データ記録を行う。
また、「ソフトウェア アップデート マネジメント システム(SUMS)スイート」により、バスおよび長距離バスメーカーはUN/ECE R156に準拠し、安全かつ確実に車両ソフトウェアの更新・サイバーセキュリティ要件を満たすことが可能になる。
ZFの「ブレーキおよび電動ドライブ・シナジープログラム」は、バスワールド2025で「デジタルアワード」を受賞した。新型電動ドライブとモジュラー式ブレーキプラットフォーム「mBSP XBS」をベースにしたソリューションで、先進的なソフトウェアを用いて駆動系と制動系を統合・同期させ、エネルギー効率を最大化しつつ完全な車両安定制御を確保している。