スタンレー電気は10月22日、CO2排出量削減を目指して開発した新しいコーティング技術を「ASTUV(アスターヴ)」と命名し、技術ブランドとして立ち上げたと発表した。
新開発のUV硬化塗料と、熱風を使わずUV光源により硬化する製造技術の導入は業界初となる。当社ヘッドランプの製造工程でASTUVに置き換えられる工程において、消費電力を当社現状比70%以上削減可能となる。
「ASTUV」は「All + Surface Treatment (STanley) + UV(紫外線)」の意味で、表面処理を熱風ではなく全て紫外線で実施する新たな技術だ。
自動車業界では、カーボンニュートラルに向けた取り組みが必須となっている。同社グループはサステナブルな社会・環境の実現を目指し、2030年までに自社の事業活動におけるCO2排出量を50%削減することを目標として掲げている。
ASTUVは、新たに開発した塗料と、同社独自の光学設計で培ったUV照射による硬化手法を組み合わせた技術だ。自動車用ランプ製造のコーティング工程において消費電力量が高い熱風乾燥工程を無くすことが可能となり、CO2排出量削減と製品の品質向上に貢献する。
第一弾として防曇技術、第二弾にハードコート技術、第三弾に意匠部材の加飾技術に関するイノベーション実現を予定しており、ASTUVの適用範囲を広げていく。
品質面では、従来の塗料に含まれるアニオン性界面活性剤による白い跡(垂跡)の発生を防ぎ、水に強いUV硬化膜がヘッドランプの曇りを長期的に防ぐ。
消費電力削減では、カバーレンズの塗装に有機溶剤を含まないUV硬化塗料を使用し、溶剤を揮発させる熱風乾燥工程を省き、塗装とUV硬化のみへ工程を短縮することで消費電力が大幅に削減される。
同社は既に自動車メーカーへ提案を開始しており、2030年までに全拠点において自動車用ランプの表面処理工程をASTUVへ置き換えることを目指す。また、ASTUV の技術を更に進化させ、自動車用ランプの表面処理工程に留まらず他の製造工程においても電力削減を推進し、自動車業界のサプライチェーンにおけるCO2削減に貢献していく。




