宇宙スタートアップのispaceは10月22日、トヨタ自動車と将来の月ミッションで運用する次世代小型探査車の概念設計について、技術評価および品質向上の支援を受けるための契約を締結したと発表した。
ispaceは月着陸ミッションを通じて、自社開発のランダー(月着陸船)やローバー(月面探査車)を使って様々なデータを取得し、顧客へ提供するデータサービスを展開している。民間企業による月市場への参入を支援し促進する上で重要な取り組みといえる。今般、ローバーの更なる探査性能の向上によるデータ収集力の強化を見据え、次世代小型ローバーの開発に着手した。
トヨタ自動車は長年の自動車開発を通じシステム開発およびその統合に関する知見を有しており、その知見に基づき宇宙研究開発研究機構(JAXA)と共同で月面探査車「有人与圧ローバー(トヨタ自動車における呼称 ルナクルーザー)」の開発に取り組んでいる。
本契約を通じてispaceはトヨタ自動車にシステムレベルで技術的に評価され、次世代小型ローバーの開発において最適なシステム設計解へ導くための支援を受ける。
今後ispaceは、ミッション3以降に自社開発した月面探査車および次世代小型ローバーを月に輸送し、運用を通じて月面走行データ等を取得していく予定。データサービスを通じて、トヨタ自動車のスペースモビリティ開発に活用してもらうことを期待している。
またispaceは民間主導による将来的な月面および月周回インフラストラクチャー構想(シスルナ構想)の検討にあたり、民間事業者間の協力体制構築を進めている。今回のトヨタ自動車との取り組みもその一環と位置付け、シスルナ構想の実現に向け積極的に連携を進めていく。




